甘〜sweets

2016/05/26

「12 鎌倉の、梅仕事を探して。」

今年も鎌倉に帰ってきたツバメたちが
軒先に巣をつくり、風を切るように飛んでいます。

夜には、もう滑川のいくつもの上流で
蛍が見られるようになりました。

思わず息をのむほど幻想的で、小さな光。

季節がしずかに変わっていて
ああ時は流れているのだと、
そんなあたり前のことに気づかされます。

梅の実も大きくなりました。

青梅の実.jpg
          北鎌倉 光照寺の梅の木

梅は、昔から鎌倉の寺院や家庭、
農家で育てられてきました。

鎌倉を舞台にした漫画&映画「海街diary」の中でも
梅は印象的なモチーフの一つです。

人間だけでなく、生きものは手がかかる。
それは厄介で、なかなか思うようにいかないけれど
だからこそ愛おしいのだと教えてくれる、庭の梅の木。

皿梅.jpg

まるでその枝から摘んできたばかりのような
青い梅の実を象った和菓子に会いました。
北鎌倉「こまき」の「青梅」。

なめらかなこし餡を中に包んだ上生菓子です。
これ以上ないほどシンプルで美しい姿は、
瑞々しい青梅の実そのもの。

窓外のやわらかな風景を眺めながら
御抹茶と一緒に店内でいただくと
少しの間だけ時の流れを止められる気がします。

円覚寺白鷺池.jpg
     窓の外には円覚寺の白鷺池 菖蒲の花が咲いています。

「青梅」が作られる期間は短くて、
「こまき」の御菓子は、一期一会。季節ごと、行事ごと、
その日のお茶会の予定などによっても細やかに変わります。

こまき暖簾.jpg


鎌倉で30年ぶりに復活した
梅の御菓子もあります。

鶴岡八幡宮の東側にある創業111年の老舗
「旭屋本店」の「雪香梅」。

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外見からは想像がつかないけれど、
青梅の甘露煮を、白餡が包んでいます。
皮にはハチミツが入っていて、甘味も爽やか。

梅半分中の中.jpg

「雪香梅」という名前に、
まっ白な雪の中でも花を咲かせていた
凛とした梅の姿を思い出します。

うめつつみ.jpg

とても手間がかかるため
しばらく途絶えていたこの御菓子は
五代目店主によって、今再び季節限定で
作られるようになりました。


梅を慈しみ、美味しくいただくために
手をかけ、心をかけた"梅仕事"いろいろ
御菓子の世界で見つけるたのしみは、つづきます。


梅の雨、"梅雨"の季節ももうすぐ。
長くつづく雨もまた、生きものたちのための
天の仕事...かもしれませんね。


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『こまき』
鎌倉市山ノ内501
phone 0467-22-3316
10:00-16:30
火曜定休

『旭屋』
鎌倉市雪ノ下3-3-21
phone 0467-22-2622 fax 0467-22-2768
9:30-18:00
月曜定休(祝日の場合翌日) 
五代目は、明治38年創業の「旭屋」の味や技を大事にしながら
さまざまな新しい和菓子にも挑戦しています。
https://www.facebook.com/asahiya.honten/?fref=ts


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photo&文 中尾京子

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