祈

2013/05/03

「四国八十八カ所霊場巡礼記 @東京④ 人生」

「同行二人」の文字の入った
お布施札の束をにぎりしめ、

“順打ち”と呼ばれる
1番から順に巡る礼拝の旅!がはじまりました。

第1番札所、巡礼スタート=“発願ほつがんの寺”は、
竺和山 一乗院 霊山寺 
じくわざん いちじょういん りょうぜんじ。

ご本尊は、小さな木の釈迦如来像です。*1

お布施札を一枚切り離してお供えし、
さきほど教わったばかりの“金剛合掌”で拝みます。

合わせる手からは
塗香ずこうの、いい~香りがします。

仏さまの横には真言が書かれており *2

「のうまく さんまんだ ぼだなん ばく」

「のうまく さんまんだ ぼだなん ばく」
「のうまく さんまんだ ぼだなん ばく」*3

呪文のように、三回ブツブツと
口の中で繰り返してみます。

会場では、お遍路さんの“正式な”拝礼の仕方*4
にとらわれず、「どうぞ、ご自分のペースでお進みください」
という声がかかります。

ご本尊の正面でじっと立ち尽くし、手を合わせて
一心に何か祈り続ける人もあれば、
少し立ち止まって拝んでは
緩やかに流れるように、巡っていく人もあります。


ご本尊は、それぞれの霊場によってさまざま、
如来、菩薩、明王と異なります。

日本ではあまり見かけることのない
横になった姿の
涅槃ねはん如来像もありました。*5

細やかな彫りで、

阿弥陀如来像の、
放射線状に広がる光の筋(光背)や
千手観世音菩薩像の さまざまな持物をもつ手、
頭上にある小さな11の顔など、一つ一つの表現が
とてもとても緻密。

憤怒の形相をした不動明王像では、*6
左右大きさの違う目や、指先まで
動いているような表情に、見入ってしまいました。

そんな不動明王の真言は、

「のうまくさんまんだ ばざらだん せんだ 
 まかろしゃだ そわたや うん たらた かんまん」

長い!

……

そうして、一体一体
仏さまに手を合わせていくと、

ついに、最後の第88番札所、
巡礼ゴール=“八十八カ所結願
けちがん*7 の霊場
医王山 遍照光院 大窪寺 おうざん へんじょうこういん おおくぼじへ。

ご本尊の薬師如来さまに手を合わせ、
その真言


「おん ころころ せんだり まとうぎ そわか」
「おん ころころ せんだり まとうぎ そわか」
「おん ころころ せんだり まとうぎ そわか」

を唱え終え
右手に進むと、

弘法大師さまの、見上げるほど大きな像が
最後にどっしりと待っておられました。

有り難うございました!


会場を出てすぐのところで、
八十八カ所を結願した証“結願之証”を渡され
“奇跡の1日お遍路”は、数時間のうちに終了しました。

…いえ、正確には、

ここで終了したわけでは
なかったのです。

家に帰って
いただいたお札を   Ofudaup

裏に返してみると…

            Jinseihenroup

 
「人生は、遍路なり」
旅の終わりは、新たな旅のはじまり。
出口に見える場所が、入口であるように、

人生のお遍路が、はじまっていたのです。

Bonzkechigannosho2
 「結願之証」いただきました!
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*1
出開帳本尊は、八十八体とも同じくらいの大きさの小さな木像仏で、日本を代表する仏師 松本明慶作。木像のやわらかさがあり、彫りや造形は大変細密。

*2
真言とは、仏さまの言葉=真実の言葉。「梵語」、サンスクリット語では「マントラ」という。密教経典に由来。音が重要であるため、翻訳せず、音そのものが伝えられている。正式なお遍路さんのルールでは、合掌礼拝から、読経の順が決まっていて、般若心経の次に「ご本尊真言」を三回唱える。(*5ルールや基準リンク参照)

*3
真言は、もともとサンスクリット語であるため、日本語にはない音声を日本語表記にするのに、「のうまく」を「なうまく」、「さんまんだ」を「さまんだ」と異なる場合がある。

*4
第九番札所 正覚山 菩提院 法輪寺しょうかくざん ぼだいいん ほうりんじ(徳島県)。涅槃は、北枕でお顔を西向きに、右脇を下に寝ている姿で表される。日本の涅槃釈迦如来像は、法隆寺五重塔などにあるが、他の仏像に比べて希少。釈迦の教えを純粋な形で伝えようとし、信仰の対象を釈迦一人と考える上座部仏教(小乗仏教)のタイなど南方アジアでは、涅槃釈迦像が大変多く見られる。

*5
四国八十八カ所霊場のお遍路さんの“正式な”拝礼の仕方には、さまざまなルールや基準があるのですが、ここでは「ご自分のペースで」「前の方を追い越してもいいですよ」と、お声掛けいただきました。

*6
第36番札所 独鈷山 伊舎那院 青龍寺
とっこうざん いしゃないん しょうりゅうじの波切不動明王像(高知県)、第45番札所 海岸山 岩屋寺 かいがんざん いわやじ(愛媛県)第54番札所 近見山 宝鐘院 延命寺 ちかみざん ほうしょういん えんめいじ(愛媛県)の不動明王像

*7
結願けちがんとは
行事が終わること。満願、あるいはその最終日のこと。

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