食

2014/03/29

「弥生の精進料理」

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極端に寒い日や暖かい日が交互に続き、まさに三寒四温な毎日ですが、季節は確実に春になってきており、鎌倉も梅の香りで満ちています。今月は走りのエンドウ豆やうるいなど芽吹いたばかりの緑を愛でる献立に致しました。

1.追い込みチラシ 2.うるい汁 3.菜花の辛子和え 4.生麩と独活の甘酒酢みそ和え 5.新えんどうのふくませ 梅麩添え


1.追い込みチラシ
ひとつの鍋で徐々に味付けを濃くしていく「追い込み煮」という江戸料理の技法を使ったちらし寿司です。20年ほど前、江戸懐石を習いたてに教えていただき、何十回と作って、今では体が覚えてしまっています。関東人の好きな甘辛い味ですが、酢飯の方に砂糖を使っていないので食べ飽きしません。蒸し暑い日でも日持ち良く、お弁当にいいですよ。精進料理なので、金糸卵の代わりに干し湯葉を揚げたものを使いました。寿司飯なので、通常のご飯より固めに炊くのをお忘れなく。また具と寿司飯を混ぜるときは、必ずご飯が熱くないといけません。冷めたご飯に混ぜ込もうとしても団子状にご飯が固まってうまくいきませんのでご注意くださいね。団扇で扇ぐのも具を混ぜるときです。打ち酢のときに混ぜながら仰ぐとネバが出ます。

材料:
米2.5c、水575cc、打ち酢(米酢60cc、淡口小2)
●人参80g 人参煮汁(昆布出汁1/2c、砂糖大1、醤油大2)
●干し椎茸3枚 干し椎茸の煮汁(人参煮汁の残+砂糖・醤油各大1/2)
●油揚1枚 油揚の煮汁(干し椎茸の煮汁+砂糖大2、醤油大1/2)
●蓮根50g 甘酢(米酢大3、砂糖大1/2、塩少々)
揚げ湯葉10g、絹さや50g、紅生姜適宜、焼のり1枚

1)米は研ぎ、ざるにあげて15分は置き、浸水してすぐ炊き始める。
2)人参を千切りし、冷たい出汁に入れ温まったら調味料を加え、やわらかくなるまで煮る。
3)干し椎茸を戻し千切り、2の鍋から人参を取り出して、調味料を加えて煮る。
4)3の鍋から椎茸を取り出し、さらに調味料を加え、油抜きして線切りした油揚げを煮る。
5)炊きあげて10分ほど蒸らしたご飯を飯台に取り、打ち酢を上から1か所にさっとかけ、飯を上下させながら混ぜていく。
6)蓮根は皮をむき、4つ割にして薄切りし酢水に漬け、そのままゆでて、甘酢に漬けておく。
7)飯が温かいうちに煮た具を混ぜ、団扇であおぎ、艶をだす。濡れ布巾を被せておく。
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8)絹さやは筋を取り、熱湯に塩一つまみ入れゆでで線切りし水に放っておく。
9)湯葉は揚げてほぐしておく。
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10)ちらしを盛りつけ、もみ海苔、蓮根、紅生姜、揚げ湯葉、絹さやを上にもる。

2.うるい汁
お寿司には味噌汁より澄ましが合いますね。うるいと、走りの筍を使って具沢山のお椀にしました。お出汁は昆布出汁ベースで、油揚げからも甘く良い味わいが出ています。しゃきしゃきとした元気の良い歯ごたえを楽しんでいただけたらと思います。

材料:うるい1パック、ゆで筍(小)2本、油揚げ1枚、昆布出汁5c、塩・淡口小1

1)うるいは洗って、さっとゆで、水にとり、冷めたら3cmくらいにカットする。
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2)筍はやわらかい姫皮をのこし、皮をむき、薄く切ってしもふってザルにあげておく。
3)油揚げは油ぬきし、長いほうのを1/2にしてから千切りしておく。
4)出汁を温め、調味し、油揚げを入れて少し炊いてから、うるい、筍を温める。


3.菜花の辛子和え
菜花と辛子は同じアブラナ科なので相性もぴったり。ガーゼの上から漬け地をかけることによって少ない汁でもむらなく回り、辛子の塊などが菜花に残ったりしません。ちょっとしたことですが、召し上がる方への思いやりですよね。茶事の八寸などにもいいですので定番メニューに入れてください。

材料:菜花1/2把、塩少々、ガーゼ
漬け地:昆布出汁1/4C、塩小1/4、淡口・味醂・辛子各小1/2

1)菜花は1時間程度水あげしてから茹でて水にとり、色止めしたらザルにあげておく。
2)漬け地をつくり冷ましておき、辛子を入れて1をバットにおいて、上にガーゼを乗せて漬け地をかけ15分はおく。
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4.生麩と独活の甘酒酢味噌和え
青柳代わりに生麩を使いました。生麩のもちもち、独活のさくさくを楽しめる一品です。独活も皮が案外柔らかいものもあり、その場合はむかずに使います。練り味噌はたくさん作り置いて、こんな酢味噌和えや田楽などに色々と使ってください。ご家庭用の献立なのでわけぎを使いましたが、寺院などではネギやにんにくなどはご法度です。

材料:生麩1/2本、わけぎ2本、独活1/2本
酢味噌:西京みそ50g、甘酒大3、酢大1、辛子小1

1)西京味噌と甘酒、酢、辛子を入れ、衣を作る。
2)生麩は5mmの厚さに切ってからさらに長いほうを3等分にし、さっと八方地(分量外:みりんと薄口しょうゆ)で炊いておく。
3)わけぎは白い部分と青い部分でカットし、塩茹でして、すぐあおぎ、青い部分を軽くしごいてから3cm程度にカットする。
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4)独活は固いようなら皮をむいて長さ3cmマッチ棒の太さに切って酢水につけておく。
5)食べる直前に2,3,4を1で和える。


5.新えんどうのふくませ
走りのえんどうをひたしにしました。最近はさやからむいてうっているので、皮が硬くていけませんね。ぜひさやつきを求めてください。そしてさやからでたら硬くなるので、すぐにゆでてあげてください。一番ベストな状態で食べてあげることこそ、食材に対する感謝です。ゆでたらお風呂の温度程度の塩湯につけておいてあげるとしわが寄らずにきれいに仕上がります。

材料:えんどう豆200g
漬け汁:昆布出汁1C、塩・淡口小1/2、味醂大1
梅麩各5mm、昆布出汁1/4C、砂糖小1、塩少々

1)えんどうはさやから出し、たて塩に5分程度つけてから、熱湯に塩ひとつまみを加えやわらかくゆでる。
2)ボールに40度程度の湯と塩少々を入れて1を移す。
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3)漬け地を火にかけ調味料をなじませて2の水気を切ってふくませる。
4) 梅麩は5mm程度にカットし、出汁でさっと煮、えんどうに添える。




レシピ&原稿:温石会 入江亮子
(北鎌倉たからの庭<旬を楽しむ精進料理> 3月の献立より)

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