食

2014/02/13

「如月の精進料理」

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二月は如月とも申しますが、衣を更に着ることからきているとの説もあるほど、1年で一番寒い季節ですね。一方では少しずつ蕗の薹やタラの芽など静かに春を待ちつつ、芽吹きも感じられる季節です。行事ではまず節分ですね。そして初午。二月最初の午の日は1年で最も気が高まるそうで、各地のお稲荷さんでは五穀豊穣・商売繁盛のお祭りがあります。茶道の世界では寒いこの季節、夜話の茶事が多く行われていることでしょう。
そんなことから、今月の献立はまず炒り大豆を使ったご飯にしました。また温向としても使える風呂吹き大根、雪の合間からの芽吹きをイメージして蕗の薹の酒粕醍醐和え、胡桃のコクとりんごの酸味、春菊の香りが一体となった和え物、そして根菜類一杯の鎌倉といえばこれ!な建長汁などを皆様とつくりました。春遠からじ・・・を食で感じてくだされば幸いです。

1.豆飯 2.けんちん汁 3.春菊と林檎の胡桃和え 4.ふろふき大根 5.蕗の薹の酒粕醍醐和え


1.豆飯
大阪の廣田家さんでいただいて美味しかったので、自分でレシピを作りました。ほんのりとした塩味と炒った大豆の香ばしさと甘さがたまらないご飯です。大豆に対しての水加減はいりません。お米に対して20%増しで考えて作ってください。節分で余ったお豆を使うなら炒る必要もありませんね。

材料:米2.5C、大豆1/4~1/3C、塩小1/2、酒大1、水出汁585CC

1)大豆はさっと洗って水分をふきとったら、身が割れるくらいまで鍋で乾煎りする。
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2)米は洗って1と一緒に水加減し、調味して、1が温かいうちに入れて炊いていく。
3)炊きあがったら10分置いて天地返し、盛り付ける。


2.けんちん汁
鎌倉で精進料理といえば、これ!ですね。建長汁とも書き、神奈川の郷土料理100撰にもなっています。大事なのは豆腐の水切り。これができていないと汁がにごってしまいます。使用する油も香ばしいごま油がよろしいでしょう。豆腐からまず炒ってぽろぽろになったところでほかの材料をわっと入れます。今回は風呂吹きで大根を使ったのではずしましたが大根なども入れるといいですね。具沢山でまさに食べるスープ!栄養満点ですよ。

木綿豆腐1丁、里芋(小)3個、牛蒡1/2本、人参30g、蒟蒻1/3枚、干し椎茸3枚、ごま油適宜、昆布出汁+干し椎茸の戻し汁5C、醤油大1.5~2、酒大1

1)豆腐はしっかり水切りしておく。
2)里芋は皮をむいて食べやすい大きさに切っておく。
3)牛蒡は笹がいて水に放っておく。
4)人参は薄い銀杏きりにしておく。
5)干ししいたけは水で戻してスライスしておく。
6)蒟蒻は短冊に切って、ゆでておく。
7)鍋にごま油を敷き豆腐をほぐしながらいため、ついでほかの材料を入れて油をなじませたら、昆布出汁ともどじ汁を加えて強火にかける。
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8)途中アクが出てくるので引き、火を弱めて材料がやわらかくなったら調味をし、椀に盛る。


3.春菊と林檎の胡桃和え
この料理は四半世紀前、江戸懐石を習いはじめたときに教えていただいた料理です。もともとのレシピは胡桃を茹でて薄皮を取るということになっておりますが、その手間たるや非常に難儀なので、自分なりに変えております。胡桃の皮なしを買われるのが一番いいのですが、皮つきでも皮の渋さは揚げることによって中和されますので、大丈夫です。大事なのは春菊も林檎も水分の多いものなので、たべる直前に和えること。また春菊をゆでるのに塩を入れる入れないはたいした問題ではなく、大事なのは色止めです。必ず冷水を用意し、茹で上がったらすぐに冷やしましょう。

春菊1/2把、林檎1/4個、皮なし胡桃20g、醤油・砂糖各大2/3、揚げ油適宜

1)林檎は皮付のままくし型に切って芯をとり、5mmくらいの薄切りしにてからマッチ棒に切って塩水に放っておく。
2)春菊は茹でて、水にさらして色止めし、まきすに巻いて搾り、3cmくらいに切ってからさらに軽くしぼり、揚げてからあたって調味した胡桃衣と和える。
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4.ふろふき大根
まさに今もっとも旬なお野菜、大根の魅力全開な料理です。冬の茶事などで温向として出されることもあります。米のとぎ汁で竹串がすっと入るまで十分ゆでることが肝心です。最低でも40分程度はかかりますので、気長に茹でてください。そのあと、昆布のお味を温めながら入れていきます。練り味噌は多めに作って冷蔵庫で保存して田楽やぬたなど色々な料理にお使いください。市販のものより一味も二味も違いますし、なにより添加物の心配もなく安全で安心です。

大根各3~4cm、米のとぎ汁適宜、昆布5cm、塩少々、銀杏各1.5個、柚子少々、
練り味噌:赤味噌70g、砂糖60g、酒大2

1)大根は皮厚めにむき、面取りし、裏に十字の隠し包丁をいれ、たっぷりの米のとぎ汁に入れ、細串が通るようになるまでゆでる。
2)1を水でよく洗い、調理するまで水にとっておく。
3)銀杏は殻を割って、玉じゃくしで転がしながら薄皮がむけるまでゆで、1/2に切っておく。
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4)練味噌の材料を入れ、丘まぜしてから火にかけ、艶がでるまで軽くねる。
5)大根が被るくらいの水に昆布を敷き、大根を温める。
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6)温めた器に大根を置いて、上に練り味噌を乗せ、柚子をあられに切ったものをふり、少し汁を張ってだす。


5.蕗の薹の酒粕醍醐和え
出始めの蕗の薹を使ってクリームチーズと酒粕の衣で和えました。醍醐とはチーズのことです。精進料理では乳製品は使っていいことになっています。それは厳しい修行で死に掛けた釈迦がスジャータの乳粥によって救われたことからきているといわれています。また直接殺生をしていないものだからとも言われています。どちらにしろ、乳製品を加えますと味わいにボリュームもでていいですね。蕗の薹の苦味もチーズの油脂でマスキングされ、食べやすくなります。この衣だけ作っておき、残ったキンピラや干しトマト、オリーブなど、お好きな具で色々と楽しんでください。とてもよいお酒のつまみにもなりますよ。

酒粕100g、クリームチーズ50g、煮きり酒大2程度、蕗の薹3個(重曹みみかき1杯)、砂糖小1、塩少々、京人参10g、昆布出汁1/4C、淡口・味醂少々
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1)蕗の薹は軸をとって、たて1/2にして水にさらしてから、熱湯に重曹を加え1分半ほどゆで、水にとる。1/2個を4等分に櫛に切る。
2)京人参は霰(アラレ)に切って昆布出汁と淡口・味醂でさっと煮ておく。
3)酒粕とクリームチーズをよく混ぜ合わせ、調味し1、2をまぜあわせる。
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レシピ&原稿:温石会 入江亮子
(北鎌倉たからの庭<旬を楽しむ精進料理> 2月の献立より)

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