食

2017/10/31

「神無月の精進料理」

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紅葉にはまだ早いですが、秋らしく爽やかな毎日ですね。銀杏や茸、新蓮根など秋の食材も整い食欲の秋を実感されている方も多いかと思います。
少し冷えてきますと、人間はコクのある味が恋しくなりますね。今月は飲んだ後の〆にもよい甘辛に炊いた椎茸がアクセントの煮麺、豆腐を漬けこみ胡桃をトッピングしてコクを出したおかべの胡桃餡かけ、高野豆腐に下味をつけて揚げ、とろろをかけた高野豆腐の山かけ、柿と長芋、凍み蒟蒻を山葵醤油で和えたヘルシーな一品、江戸料理で占地を浅草海苔で和えた占地の海苔酢和えをやりました。どれもお酒のあてにもいけますので、ひやおろしとともに秋の夜長にお楽しみください。


1.煮麺、2.おかべの胡桃餡かけ、3.高野豆腐の山かけ、4.凍み蒟蒻と柿、長芋の山葵和え、5.占地の海苔酢和え


1.煮麺
"煮る麺"が転じて"にゅうめん"と呼ばれるようになりました。発祥は素麺のふるさと奈良県ですので、関東ではあまりなじみがないかもしれませんが、シンプルな中にも滋味深く、ちょっと寒い日などにはもってこいです。
今回のかけ地は昆布出汁だけでなく、煎り大豆の味が入った精進の混合出汁で作りました。

材料:素麺各40g、柚子1個、干し椎茸(小)各3枚、煮汁:出汁(昆布出汁と干し椎茸のもどし汁)300CC、砂糖大5強,味醂・醤油各大3、干し湯葉適宜
かけ地:混合出汁(煎り大豆・昆布適宜):3000CC、酒70CC、淡口1C、塩少々(調整用)

1)干し椎茸は前日から水に漬けて戻します。低温でゆっくり戻すことで、干し椎茸のうまみ成分グアニル酸がよく出ますので絶対にレンジでチンとか砂糖を振って熱湯を注いで戻したりしないでください。
戻ったら、軸をとって昆布出汁と戻し汁に入れ火にかけ、小煮立ちしてきたらアクを引き、砂糖を加えて弱火で5分炊き、そのあと味醂と醤油を加えて落とし蓋でことこと汁がほぼなくなるくらいまで炊き、薄切りにしておきます。今回のように砂糖を多く入れる場合、必ず少しおいてからほかの調味料を加えましょう。
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2)かけ地を作ります。まず使用する出汁ですが、昆布と煎り大豆で作った混合出汁を使用します。大豆は煎ったら昆布とともに水を加えて一晩おきます。それを火にかけ温まってきたら酒を入れ、続いて淡口を加え、味をみて薄いようなら塩を少々加えましょう。通常の素麺つゆは出汁15:淡口1:みりん1で作りますが、甘い椎茸を使うのでみりんは入れずに作りました。もし辛いなと感じるようでしたら、みりんを加えるか淡口の量を加減してください。
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3)たっぷりの湯に素麺を入れて1分程度ゆでたら水で締めて、食べる直前に熱湯に入れて温めて椀に盛って汁をはり、上に砕いた干し湯葉、1の椎茸をおき、ふり柚子をして召し上がってください。
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2.おかべの胡桃餡かけ
おかべとは、女房言葉で豆腐のこと。豆腐を壁の白さに見たててのようです。鹿児島でも豆腐のことはおかべといいますね。女房言葉にはおかかやおこわ、おからなど、現代でも使われているものが数多くあります。

材料:材料:木綿豆腐各1/6丁、胡桃各1個、人参10cm、軸三つ葉各1本、油適宜
漬け汁:みりん・醤油・酒各大2
餡(出汁1C、豆腐の浸し汁、片栗粉大1弱)

1)豆腐は軽く重石をして脱水後、6等分にして10分漬け汁につけます。しょっぱくなるので、それ以上は漬けないように気をつけます。
2)胡桃は大3程度の油で煎るようして揚げ、いったん胡桃を取り出してから、同じフライパンで豆腐を両面焼きます。少し焼き色が付くくらいが美味しいです。
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3)人参は10cmの長さ、5mm程度の幅に切り、水からゆでて、水にとっておきます。
4)三つ葉も軸のみさっと1、2秒ゆでて、水にとっておきます。
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5)豆腐のつけ汁に出汁を加え1Cにし、火にかけ、温まってきたところに水溶き片栗粉を加えてとろみをつけます。とろみをつける前に、必ず味見をし、薄ければ醤油とみりん少々で加味してください。
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6)焼いた豆腐の上に、餡をかけ、その上に長さをそろえた人参と軸三つ葉を乗せ、砕いた胡桃をトッピングします。
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3.高野豆腐の山かけ
高野豆腐は古くから我が国に伝わる保存食品で、呼び名は高野豆腐のほかに、凍り(こおり)豆腐、氷豆腐、凍み(しみ)豆腐、ちはや豆腐など様々で、各地に存在しています。発祥はたまたま極寒に置いてできてしまった偶然説、中国からの伝来説、伊達政宗開発説などありますが、栄養価も高く、寒い時期のタンパク質補給にどれだけ貢献してきたかと思うとじーんときちゃいますね。
今回は薄く下味をつけて揚げて山かけにしました。キューブ状にカットしてありますので、ちょびちょびおつまみとしていただくのにもってこいです。

材料:高野豆腐各1/2枚、煮汁:1C、砂糖・淡口各小1
大和芋100g程度、揚げ油適宜、青のり少々、割醤油(醤油1:出汁1)

1)高野豆腐は、パッケージの取説の通り戻します。今回はぬるま湯で戻しました。それから軽く絞って(絶対ぎゅーっとしてはダメ)6〜8等分に切って煮汁でたいておきます。
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2)大和芋は皮をむいておろします。
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3)1を170度くらいの油で揚げて、2)をかけ青のりをふって割醤油を回しかけて食べてください。
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4.凍み蒟蒻と柿、長芋の山葵和え
蒟蒻を冷蔵庫で凍らしてから煮物などに使うと、脱水によって表面に小さい凸凹ができるので、味がしみこみやすくなり、面白い食感もでますので、ぜひ自家製凍み蒟蒻を作っていろいろな料理に使ってみてください。

材料:長芋15cm(たて塩)、凍み蒟蒻1/2枚(出汁1/2C、淡口・味醂各小1)、柿(大)2個、もって菊(天盛用)1輪
山葵衣:昆布出汁50CC、塩小1/4、、味醂・淡口・山葵各小1

1)長芋は皮をむき3cmの短冊に切って昆布を入れた薄めの立て塩(3%の塩水)で下味をつけておきます。
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2)凍み蒟蒻は解凍してから短冊に切り、さっとゆがいて分量の煮汁で煮含めておきます。
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3)柿は皮をむき、1)2)と同様に短冊に切っておきます。
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4)1)2)3)を山葵衣で合え、もって菊を飾ります。
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5.占地の海苔酢和え
占地も海苔も年中手に入り、気軽に楽しめる小粋な一品です。二杯酢なので酢がきつすぎるようなら出汁少々でわってもよいでしょう。

材料:占地3パック、出汁100cc、塩少々、浅草海苔2枚
二杯酢:米酢大3、醤油大3

1)占地は1本ずつばらし、出汁に塩少々を加え、さっと煮ておきます。余熱も考慮しほんの1分程度で十分です。
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2)海苔は細かくちぎっておきます。
3)酢と醤油をあわせて、二杯酢を作っておきます。
4)1と2を3であえます。
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レシピ&原稿:温石会 入江亮子
(北鎌倉たからの庭<旬を楽しむ精進料理> 10月の献立より)

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