食

2017/09/30

「長月の精進料理」

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すっかり朝夕は涼しくなり、秋の訪れを感じます。まさに暑さ寒さも彼岸までですね。この時期になると彼岸花が突如出現し、萩が小花を可憐に咲かせ、キンモクセイが良い香りを運んできます。お彼岸におはぎを作ってお墓参りに行かれた方もいることでしょう。栗や松茸、銀杏...秋の味覚もそろそろ出回ってきましたね。今月は夏の名残と秋の訪れを感じる献立にしました。

材料:1.玉蜀黍とはじき豆ご飯、2.萩豆腐椀、3.茄子の利久煮、4.糸蒟蒻と万願寺の金平、5.丘わかめとオクラの木酢和え


1.玉蜀黍(とうもろこし)とはじき豆ご飯
真珠もろこしは、大変甘味の強いフルーツのような白い玉蜀黍。はじき豆は枝豆のこと。もともとは空豆の別名としてのほうが浸透していますが、枝豆のことも云ったりします。晩生の枝豆は粒も大きくて、こちらもうま味がたっぷりです。彩りも良いので、お弁当などにも良いですよ。

米3C、昆布出汁720cc、塩小1弱、真珠もろこし1、枝豆100g

1)米を洗って、笊に15分あげておき、水加減をして塩を入れてひとかき混ぜして20分さらにおきます。
2)枝豆は堅めにゆでて、鞘からだしておきます。薄皮までとる必要はありません。
3)玉蜀黍は身をそいで、1に軸ごと入れて、炊きます。玉蜀黍は軸からそぐときにあまり深くそいでしまうと軸の硬い部分が実に着いてきてしまうので、気をつけてください。
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4)火から下ろしたらすぐに2の枝豆を加えて、10分蒸らし天地返して盛り付けます。
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2.萩豆腐椀
9月は萩の季節です。小豆を萩の花に、枝豆を萩の葉に見立てた料理です。精進料理では胡麻豆腐で作る場合が多いですが、今回はより手軽に豆腐で作りました。この時期一度は作りたいおすましの一つです。

材料:豆腐1丁、大和芋50g、塩ひとつまみ、ゆで枝豆、茹で小豆適宜
出汁4C、塩小1/2、淡口小1、占地適宜、青柚子1個

1)豆腐はしっかり水切りし裏ごしして、おろし大和芋と塩少々(分量外)を加えよく混ぜて5等分しておきます。
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2)ラップにゆでた小豆とゆでた枝豆をおき、その上に1をおいて包んでしっかり輪ゴムで止め、中火で10分ゆでます。このときあまり火加減が強すぎると表面がざらざらに仕上がるので中火をキープしてください。
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3)占地は1束2~3本を目安にほぐして、熱湯で1分弱ゆでて水にとっておきます。
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4)出汁を温め調味し、別の小鍋に調味した出汁をお玉1杯分とって味醂と淡口少々を加え占地を温めます。
5)お椀にラップを外した豆腐を置き、占地を添え、汁をはり、吸い口に振り柚子をします。
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3.茄子の利久煮
今となっては年中出回っておりますが、茄子と云えば"秋"。柔らかく色つや良く、どんな材料との相性もよく、しかも値段がお手頃というなんともありがたい食材ですよね。おうちでは茄子とピーマンの味噌炒めなどをよく作られるかと思いますが、そこに胡麻を加えるとさらにコクが増していっそう美味しくなります。料理名に"利久"がつくとほぼそれは胡麻を使用した料理です。それは千利休が胡麻好きだったことからと云われています。あれ?料理名が「利休」ではなく「利久」になっている!と気が付いた方、さすがです。商売では"休"という言葉はあまり良いイメージがないので日本料理店では本来の「利休」から「利久」へと当て字が使われるようになりました。ほかにも「すり鉢」とは云わず「あたり鉢」といったりします。

材料:茄子各4本、胡麻油大1、磨き胡麻大1・1/2、ピーマン2個、出汁1/2C
練り味噌(仙台味噌40g、砂糖30g、酒大1)

1)茄子は縦1/2にして、斜めの細かい包丁目を入れさらに2~3等分に切っておきます。
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2)胡麻は炒ってさらしの布巾でつつみ、上から軽く包丁をして切りごまにしておきます。布巾は切れずに、胡麻だけ切れます。キッチンペーパーでも結構です。
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3)練り味噌を作る。材料を鍋にすべて入れ、よくかき混ぜてから火にかけ、砂糖が溶けたら火から下ろします。硬くなるまで練ってはいけません。
4)ピーマンは軸を切り、縦1/2にして種を取り、さらに3~4等分くらいに斜めに切っておきます。
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5)鍋に油をしき、1を強火で皮目から焼き、返してから出汁を入れ、中火にしてやわらかくなるまで数分煮ます。
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6)ピーマンを加え1分程度煮て、練り味噌を加えてひと混ぜし、最後に切りごま(小1程度残す)を散らして火を止めます。もりつけてから残りの切りごまふります。
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4.糸蒟蒻と万願寺の金平
いつも有ると便利な総菜の一つです。ゆでている時間も入れて10分もかかりません。少し置いてからのほうが味が落ち着いて美味しく頂けます。お好みで七味を振っても良いでしょう。

材料:糸蒟蒻2パック、万願寺2本、サラダ油適宜、酒・淡口各大1程度、七味

1)糸蒟蒻はゆがいて、食べやすい大きさに切っておきます。
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2)万願寺は縦1/2に切って、種をぬき、5mm程度の幅で千切りしておきます。
3)鍋にサラダ油を敷き、1と2を炒め、万願寺がしんなりしてきたら、酒を入れてアルコールを蒸発させてから淡口醤油で調味します。盛り付けたらお好みで七味をふってください。
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5.丘わかめとオクラの木酢和え
火を入れると色が黒くなり、ぬるっとして、まさに若布のようなのでその名がついたそうです。雲南百薬とも言われ、マグネシウムや亜鉛、カルシウムなどが豊富です。園芸品種としてご存じの方も多いかと思います。今回はぬるぬる同士を組み合わせて、さっぱりとした柑橘系果汁で和え物にしました。
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材料:丘わかめ10枚程度、オクラ5本、茗荷3~4個、
スダチ2個分果汁+同量の醤油、昆布出汁木酢の1/2

1)丘わかめはさっと茹で、水に取り、食べやすい大きさに切っておきます。
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2)オクラもゆでて水にとり、小口切りにしておきます。
3)茗荷は縦1/2にして、斜めスライスにしておきます。
4)スダチ果汁と醤油、出汁をまぜて1~3を和えます。
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レシピ&原稿:温石会 入江亮子
(北鎌倉たからの庭<旬を楽しむ精進料理> 9月の献立より)

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