食

2016/09/25

「長月の精進料理」

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暑さ寒さも彼岸までと言われていますが、秋分の日を過ぎると本当にぐっと風がひんやりと秋めいてくるのが不思議ですね。人間関係に秋風はあまり良くないですが、やっと過ごしやすくなってきてホッとしております。今月も敬老の日やお彼岸、十五夜の月見、秋祭りなどたくさんの行事がありますが、中秋の名月はお楽しみになれましたか。「水面に照る月波をかぞふれば今宵ぞ秋の最中なりける」とよんだのは歌人の源順ですが、この歌からお菓子の最中は誕生したとか。たからの庭でも「月と日本酒の会」でお月見のこと、じっくり学べますよ。そちらのお越しもお待ちしております。
今月は京都時代の懐かしいまかない飯「湯葉のあんかけ丼」、茄子そのものが素麺になっちゃう茄子素麺、旬の無花果の田楽、お総菜の定番切り干し大根の炒め煮、大豆の新豆で作る浸し豆などをやりました。

1.湯葉のあんかけ丼、2.茄子素麺、3.無花果の胡桃味噌焼、4.切り干し大根の炒め煮、5.青大豆の浸し豆


1.湯葉のあんかけ丼
京都では非常にポピュラーなおどんぶりなんですが、関東ではなかなか食べることがかなわず、今月の献立に入れました。お酒のあとの〆飯にもぴったりです。湯葉の甘い旨味がきいた優しい味です。生湯葉は日持ちが悪いので...とご心配の方は、どうぞ冷凍なさっておいて使ってください。

材料:米3C、水720cc
生湯葉100g、油揚げ1.5枚、葉ネギ3本、生姜適宜
出汁750cc、淡口50cc、醤油大1、砂糖40cc、片栗粉大1.5程度(水大3で溶いておく)

1)米は洗って普通に炊いておきます。
2)油揚げは油抜きをし、長いほうを1/2に切って1cm幅の短冊に切っておきます。
3)湯葉も食べやすい大きさに切っておきます。
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4)葉ネギ(九条ネギやワケギなど青い部分が多いネギのこと)は斜めに薄くスライスしておきます。
5)出汁を温めて、2と3を入れ数分煮てから調味し、水溶き片栗粉でとろみをつけたところに、4を加え火を止めます。
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6)茶碗にご飯を盛り付け、5をかけ、おろし生姜を天盛して、はふはふいいつつ、召し上がってください。


2.茄子素麺
茄子素麺といえば、茄子を焼いたり煮たりしたものが素麺に添えられているものを想像なさるでしょうが、これは違うんですよ。茄子自体を素麺にしちゃいます。私も出張先の北陸で食べたときに非常に驚いたのですが、もとは新潟郷土料理のようです。食欲のないときでもつるっと食べられて、目にも翡翠色が美しく、もりもり食べられちゃいます。

材料:茄子各1/2本、片栗粉適宜、茗荷3個、大葉各1枚
汁:出汁3C、淡口・味醂各60CC

1)なすはヘタを取って皮をむき、5mm幅のせん切りにして水にさらします。
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2)1の水気をしっかり拭いてから、片栗粉をたっぷりまぶして、沸騰した湯に入れて3分ほどゆでてから水にとり、ざるにあげます。
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3)汁をつくります。出汁に味醂を入れて火にかけ、小煮たちしてきたら淡口を入れて火を止め、冷やしておきます。
素麺汁は比率で覚えましょう。出汁が10:淡口1:味醂1です。覚えやすいでしょう。市販のめんつゆもいいですが、自家製はなんと言っても安心です。
4)お椀にゆでて冷やした茄子を置き、汁を注いで天に刻んだ茗荷と大葉をのせます。
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3.無花果の胡桃味噌焼
イチヂクはコンポートなどお菓子にするイメージが強いかもしれませんが、和食ではよく使われる秋の食材です。なかでもこの田楽は無花果の甘酸っぱさと胡桃味噌のこってりとした味わいが絶妙です。無花果は栄養価も高くペクチンのほか、カルシウムや鉄分も豊富。ぜひ秋の定番にしてほしい一品です。

材料:無花果各1個、銀杏各3/4個、ささげか小豆各3個
胡桃味噌:胡桃30g、練り味噌(白味噌60g、砂糖大1、酒大1)

1)無花果はヘタを5mmほど落とし、さらに2cm程度上部を切っておきます。
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2)銀杏は殻を割って、ゆでて薄皮をむき、縦1/4に切っておきます。
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3)ささげか小豆は固めにゆでておきます。
4)胡桃を軽く炒ってから当たり鉢であたって、練り味噌を加えてさらになめらかにあたります。味噌が固いようなら昆布出汁か酒で調整しましょう。
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5)無花果の実に4の味噌を乗せ、オーブントースターなどで焼き目が付くまで数分焼き、しばらくそのままおいて余熱で火を通します。
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6)銀杏とササゲを飾ります。
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4.切り干し大根の炒め煮
干した野菜が注目されていますが、切り干し大根は古くから伝わる干し野菜の一つですよね。なかなか味が決まらない料理の一つで熟練のお母さんたちの作る切り干し大根の煮物は、料理人には出せない美味しさがあります。そんなお母さんの味を再現してみました。常備菜としてぜひ定番にしてほしいです。

材料:切り干し大根75g、油揚げ2枚、人参30g、ごま油適宜、七味
煮汁:出汁1C、砂糖大2,醤油大2・1/2、酒大1

1)切り干し大根は、水でもみ洗いし、そのまま10分ほど置いてから軽く絞って、食べやすい長さに切っておきます。
2)人参は3cmの長さに千切りしておきます。
3)油揚げは油抜きし、細めの短冊に切っておきます。
4)鍋にごま油を薄く敷き、人参、切り干し大根の順で炒め、出汁を加え、沸騰してきたら調味し、汁気がなくなるまで煮ていきます。好みで七味を振ります。
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5.青大豆の浸し豆 
青大豆は鶯黄粉の原料にもなっている豆で熟しても黄色くならず緑のままの豆です。ビタミンAやカロテンが普通の大豆より多く、甘味も豊かですので浸し豆にぴったりです。お酒のおつまみにもなるよう、しっかり目の味付けにしております。

材料:青大豆125g
浸し地:出汁500CC、味醂・淡口各100CC、おぼろ昆布適宜

1)青大豆は洗って一晩水で戻し、柔らかくなるまで煮てザルにあげておきます。だいたい1時間程度はかかります。
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2)浸し地の材料を鍋に入れ一煮立ちさせて、1を入れて冷蔵庫で寝かしましょう。
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3)好みでおぼろ昆布などを乗せて召し上がってください。
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レシピ&原稿:温石会 入江亮子
(北鎌倉たからの庭<旬を楽しむ精進料理> 9月の献立より)

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