食

2014/11/07

「神無月の精進料理」

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朝夕の気温差に、澄み切った高い空に、秋を感じる今日この頃です。鎌倉でも木々がじんわり色着いてきました。
さて、10月は神無月といいますが、日本中の神様が出雲大社へ集い会議をなさる月なので、出雲だけは"神有月"なわけですね。ほかにも 新米で酒を醸すので「醸成月(かみなしづき)」、あるいは雷の鳴らない「雷無月(かみなし づき)」の説もあります。
とまれ、さわやかな実りの季節となりました。農耕民族の日本人にとっては稲刈りなどが無事に終わり、収穫に感謝する月でもありますね。
今月は里芋を新米に炊き込んだ里芋飯、茸をふんだんに使ったお椀、まさに里の恵みに感謝した吹き寄せなどなど、旬をめでる料理尽くしです。ぜひ、お作りください。

1.里芋飯 2.七茸汁 3.柿の胡麻和え 4.切干大根の三杯酢 5.吹き寄せ


1.里芋飯
里芋が美味しい季節になりました。今回は醤油の香ばしい風味をつける"なべ煎り"という技法を組み込みました。また食感の違いなども楽しんでいただければと粟麩を揚げて炊き込みました。どうぞ醤油と芋の土の香りを味わってください。

材料:里芋4~5個程度、醤油大1、菜種油少々、粟麩1/4本、揚げ油
米2C、出汁445cc、酒・醤油各大1、淡口小1、塩少々、三つ葉1把

1)米は洗ってざるにあげておく。
2)里芋は洗って皮をむき、食べやすい大きさに切って、フライパンに菜種油少々を敷いて、周りに透明感が出てくるまで軽く炒めてから、醤油をふってさらに焼き目がつくまで炒める。
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3)粟麩は5mmに切って170度であげておく。
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4)三つ葉は軸だけ茹でて水にさらし、1cmくらいに切っておく。
5)米に出汁と調味料を入れ、沸騰したら粟麩、芋を入れて炊き上げ、天地返しをしたのち、もりつけて天に三つ葉を飾る。
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2.七茸汁
茸も旬ですね。普段のしいたけやえのきに加えて、たくさんの茸類が出回っています。茸類の主なる旨味成分は「グアニル酸」といいますが、グアニル酸は昆布がもつグルタミン酸と一緒になると数十倍に旨味が強くなることが知られており、このお汁の旨味たっぷりな要因がわかっていただけるかと思います。

材料:まいたけ、えのきだけ、椎茸、平茸、シメジなど数種適宜、みつば(葉)、黄柚子
吸地:出汁4C、淡口小1、塩小1/2、酒大1

1)茸は食べやすい大きさに切る。
2)だしを温め調味し、茸を入れ、ひとにたちさせる。でてきたアクはしっかりととる。
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3)椀にもり、吸い口に刻んだ三つ葉、黄柚子をふる。
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3.柿の胡麻和え
柿は白和えも美味しいですが、胡麻を使ったコクのある和え物もいけます。椎茸を焼いて旨味を凝縮させて隠し味に使いました。またお手軽に作っていただけるよう、胡麻はあたらずにペーストを使い、柿の甘さを生かすため、砂糖は使用せず、味醂と淡口で味付けしました。お酒のアテにもぴったりな秋らしい一品です。

材料:柿2個(水2C、塩小1)、椎茸3枚(塩少々)
和え衣:胡麻ペースト大2、味醂・酒大1、淡口小1/2

1)柿は皮を剥いて7mm角切りにし、分量の食塩水に5分程度つけ、しんなりしたらざるにあげておく。
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2)シイタケは焼いてからスライスし、塩を少々をふっておく。
3)ゴマペーストに調味し、1と2をあえる。脱水しやすいので、食べる直前にあえること。
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4.切干大根の三杯酢
切干大根は細切して天日干しした大根のことですが、干すことによってカルシウムは15倍、鉄分は32倍、ビタミンB1・B2は10倍(Jmedical調べ)と、栄養価は格段に高くなりますし、繊維質も豊富ですよね。そんな素晴らしい食品ですが、大体煮物で終わってしまっているようなので、もっとレパートリーを広げていただきたく、三杯酢で漬けるお料理を紹介します。サッパリとして柚子の香りも爽快です。たくさん召し上がってください。

材料:切干大根30g、三つ葉1/4把、白胡麻大1、柚子の皮1/4個分
漬け地:酢1/2C、出汁1/2C、砂糖大1/・1/2、塩小1/4、淡口大2

1)切干大根はたっぷりの水で戻し、水気を切って熱湯で2分ほどゆで笊に上げる。
2)漬け地の材料を鍋でひと煮たちさせて、そこに1を適当な長さに切っていれておく(できれば2時間以上)。
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3)三つ葉は軸だけさっとゆでて水に取り、水気を切って2cmくらいに切る。
4)胡麻は炒って軽く切り胡麻にしておく。
5)ゆずは皮を厚くむき、白い部分をそいで2cmくらいの千切りにする。
6)3,4,6と和えて、天に切り胡麻を振る。
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5.吹き寄せ
季節の野菜を揚げたり焼いたり煮たりして盛り込んだのが、秋を代表する料理、吹き寄せです。葉が落ちたて、まさに吹き寄せられた様を表現しているわけですね。茶懐石でも箕皿などに盛り付けて強肴としてこの時期よく出ますが、なんとも風流で目にも楽しいお料理です。
型抜きなど手間はかかりますが、調理方法は至ってシンプルです。黄色、茶色、オレンジといった暖色系でまとめるのがポイントです。

材料:菊花3輪くらい
栗渋皮煮(市販品)各1/2個、そば松葉(そば・海苔少々)、銀杏各2、紅葉麩各7mm×1枚、さつま芋各7mm×2枚、しめじ1/2パック程度(昆布出汁1/2C、塩少々)

1)栗渋皮煮は1/2に切っておく。
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2)そばは4~5cmにカットし、2本を1束にして海苔をつけて松葉にして素揚げし、塩を振っておく。
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3)銀杏はカラを割って薄皮はついたまま揚げる。火が通ると自然に薄皮は取れるので、塩を振っておく。同様にさつま芋は7mmに切ってから銀杏に型抜きし、紅葉麩も7mm幅に切ってから素揚げし、塩を振っておく。
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4)しめじは石付を取って、小分けにし、昆布出汁1/2Cに塩少々でさっと煮ておく。
5)1~4を盛り付ける。




レシピ&原稿:温石会 入江亮子
(北鎌倉たからの庭<旬を楽しむ精進料理> 10月の献立より)

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