食

2016/04/30

「卯月の精進料理」

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過ごしやすい季節となりました。まさに春爛漫ですね。桜の見頃を過ぎても鎌倉のあちこちには色とりどりの花が咲き、新緑も美しく、暖かな春風に誘われてお散歩に最高の毎日です。たからの庭では今、シャガが見ごろですが、4月はお花見に限らずいろいろと行楽でお弁当をお作りになることも多いかと思い、今月は信玄公が考案の非常に持ち運びに適した機能美抜群の信玄弁当で今までやった献立の復習をやりました。
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1.豆飯 桜花添え  2.新青さ海苔の味噌汁  3.卯の花煮 4.旬菜の天ぷら  5.筍の木の芽味噌和え 6.菊芋と赤蒟蒻の金平 7.新キャベツの即席漬 8.芋てふてふ 9.蓬麩の田楽


1.豆飯 桜花添え
グリンピースは缶詰のものを食べて嫌いになってしまう方も多いのですが、さやからむきたての新鮮な豆は皮も柔らかく甘くておいしいんです。購入するときは必ずさや付きで買って、使う直前にむきましょう。手間以上の美味が待っています。お弁当にするので、冷めても美味しく召しあがれるようもち米を少し加えて炊きました。

材料:豌豆(さやつき)300g、米2・1/2C、もち米1/2C、昆布出汁600cc、塩小1弱、桜花塩漬各1

1)もち米は前日から水に漬けておきます。
2)桜花の塩漬けはさっとあらって水に浸し、塩を適度に抜いておきます。お湯を入れると花がばらばらになってしまうことがあるので"水"でが大事です。また塩を抜きすぎてもいけません。必ず味見をしてうっすら塩味が残っている感じを確認してください。
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3)米は研いでザルにあげて15分はおきます。
4)釜に1のもち米と3の米を入れて浸水させて、15分程度おいてから炊き始めます。水の分量は、もち米は一晩おいて十分水分を吸っているので、米(うるち米)の分だけで大丈夫です。沸騰するまでは強火、そのあと中火にしたときに豌豆を加えますが、豌豆は炊くぎりぎりにさやから出します。中火にして7分、その後3分弱火にして最後に強火にして10秒、ぱちぱちという音がしたら火を止め、10分蒸らします。
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5)天地返しをしたご飯をもりつけ、上に2の桜の花を飾ります。


2.新青さ海苔の味噌汁
海苔のシーズンは真冬から3月にかけてですが、取れたてを干したばかりの青々しい新海苔が手に入ったので、みそ汁にしました。磯の香りがご馳走です。

材料:青さのり適宜、出汁5C、豆腐1/2丁、信州味噌60g程度

1)豆腐は7mm程度のさいの目に切っておきます。
2)椀に青さ海苔を置きます。
3)出汁を温め、味噌をとき、豆腐を温めて、椀にそそぎます。味噌の量は味噌自体の塩分でだいぶ変わりますが、1カップの出汁に対して大匙2/3(10cc程度)がちょうどいいようです。
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3.卯の花煮
ちょうど4月に咲くウツギの白い花"卯の花"に似ていることから、おからのことを卯の花といい、特にこの時期おからを使った料理には"卯の花"という名前が付けられることが多いのです。なんとも風流ですよね。おからというとお醤油と砂糖で煮る料理を思い浮かべるかと思うのですが、日本料理では笊で豆の粕などを取り除いて真っ白く仕上げる料理のほうが多いんですよ。ほかの材料は人参の赤、干し椎茸の黒、葱の緑でカラフルにしました。

材料:おから150g、人参15g、干ししいたけ1枚、万能葱2本
昆布出汁+干ししいたけの戻し汁3/4C、砂糖大1・1/2、塩小1/3、酒大1

1)おからは笊にいれ、水を張ったボールにつけて手でかき混ぜながらこし、下のボールに残ったほうをつかいます。
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2)盆笊にさらしの布巾を広げ、1のおからをあけ、水気を絞ります。
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3)人参は薄い色紙切りにします。色紙切りというのは色紙のように真四角に薄く切ることを言います。
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4)干ししいたけは水で戻して、人参と同じくらいの大きさに切っておきます。
5)鍋に昆布出汁と干ししいたけの戻し汁と調味料を入れ、人参を入れて火にかけ、煮立ってきたらおからと干ししいたけを入れて汁気がほぼなくなる程度に炒り煮にし、最後に小口に切った葱を入れて混ぜ、火を止めます。
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4.旬菜の天ぷら
山菜も後半になってくると天然ものがたくさん出回ってきます。今回は山菜の女王、森のバターともいわれるタラの芽と、アクが少なく姿麗しいこごみ、香り豊かな独活、そしてたからの庭に自生している雪の下を天ぷらにしました。雪の下は古くから湿疹ややけどの民間薬として親しまれていますよね。かりっと揚げるには衣に片栗粉を入れることと、打ち粉をすることの2つです。春の息吹をどうぞ。

材料:タラの芽各1個、こごみ各1本、雪の下各1枚、独活3cm×2本
衣:小麦粉・片栗粉各1/4C、冷水1/4C、塩少々、あげ油適宜

1)材料はすべて洗って、水気を拭きとり、タラの芽はハカマを取って縦1/2にし、こごみは3cm程度に切って、独活は3cm程度の長さに切って、打ち粉をします。雪の下は裏面だけします。打ち粉は衣がはがれないようにするためと、水分を吸収してはねないようにするためです。
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2)衣を作り、塩を加え1をくぐらせ160度程度で揚げます。アクの少ないものから揚げるといいですよ。精進料理の天ぷらは衣に味をつけておきます。
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5.筍の木の芽味噌和え 
同じ時期に旬を迎え、料理の相性がいいものを"出会いもの"といいますが、筍と木の芽はまさに出会いものです。甘やかな白味噌の衣が二つの個性を包み込んでくれます。

材料:ゆで筍2本(小ぶり200g程度)、蒟蒻1/3枚
煮汁:昆布出汁1/2c、淡口大1、砂糖・酒各小2
木の芽味噌:西京味噌80g、砂糖小2、昆布出汁大2、木の芽適宜

1)茹で筍は食べやすい大きさに切ってしもふり、煮汁でさっと煮て、冷ましておきます。
2)蒟蒻は3cm幅の短冊に切り、塩ひとつまみいれた熱湯でしもふっておきます。
3)鍋に味噌、砂糖、昆布出汁をいれ丘混ぜ(火にかける前に混ぜ合わせること)してから火にかけ、練り味噌をつくり、冷めたら叩いた木の芽をまぜておきます。
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4)3に1,2を加え、和えます。
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6.菊芋と赤蒟蒻の金平 
菊芋は、糖の吸収を抑制して血糖値の上昇を防ぐイヌリンという成分が豊富です。見た目は生姜、食感は蓮根、味は淡い牛蒡味で、大変面白い食材です。アクも少なく、水につける必要はありません。これを滋賀名物の赤蒟蒻で金平にしました。菊芋料理では一番おいしく召しあがれる料理かと思います。
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材料:菊芋300g、赤蒟蒻1/3枚、胡麻油適宜、味醂大2、淡口大1・1/2

1)菊芋は太目の千切りにします。
2)赤蒟蒻はも同様の長さと太さに千切りし、さっとゆがいておきます。
3)ごま油を熱し、菊芋を炒め、透明感がでてきたら赤蒟蒻をいれて3分程度さらに炒め、調味します。
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7.新キャベツの即席漬 
新キャベツの美味しい季節です。和のハーブ、大葉やミョウガで即席漬けを作りましょう。キャベツは包丁で切ると水分が出すぎてしまうので、手でちぎります。

材料:新キャベツ数枚、茗荷2個、大葉5枚程度、塩小1/3

1)キャベツは小さくちぎり、分量の塩を振って軽くもんで、5分程度置き、脱水させたら軽く絞っておきます。
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2)茗荷は縦1/2に切ってから斜めにスライスしておきます。
3)大葉は千切りし、水にさらしておきます。水にさらさないと黒くなってしまうので、ほんの数分でいいので必ずさらしましょう。
4)1〜3を混ぜ合わせ、味をみて塩加減が足らなければ少し足し、しょっぱすぎるようなら水を1/2C程度入れてさっと流します。
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8.芋てふてふ 
サツマイモの旨煮は、お弁当に必ず入ってくるアイテムの一つです。春なので蝶々に型抜きして飾ってみました。型崩れしないよう、明礬水に漬けるのが日本料理の技です。

材料:薩摩芋各7mm、焼き明礬小1/2、クチナシの実1個
漬け地:砂糖・水各1/3C、塩少々

1)薩摩芋は蝶の形にぬき、明礬水に20分は漬けておきます。明礬水に漬けることで型崩れを防ぎます。
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2)1を良く洗って、クチナシの実を入れてやわらかくなるまでゆでます。
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3)漬け地を火にかけ、しっかりと砂糖を溶かし、2を最低でも1時間はつけます。できれば1晩おいてください。


9.蓬麩の田楽
田楽は平安時代に始まった芸能で、料理の田楽は串に刺した豆腐が、踊る芸人の姿に似ていることからその名が付いたそうです。冷めても美味しく花見の弁当に田楽は欠かせない一品です。今回は豆腐のように水きりもいらないし蓬の香りも春らしい生麩を使いました。

材料:蓬麩各1cm、片栗粉少々、サラダ油適宜、芥子の実適宜
練り味噌:赤味噌50g、砂糖35g、酒大1

1)蓬麩は1cm程度の厚さに切って片栗粉を薄く塗り、フライパンに少々サラダ油を敷いて焼いておきます。
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2)練り味噌を作ります。味噌に砂糖、酒を入れてよく混ぜてから火にかけ、砂糖がとけたら火からおろします。
3)1に2をぬり、オーブントースターなどで軽く焼いてけしのみを振ります。
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レシピ&原稿:温石会 入江亮子
(北鎌倉たからの庭<旬を楽しむ精進料理> 4月の献立より)

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