食

2020/06/19

「水無月の精進料理」

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突然やってきたコロナ禍で、3月から「旬を楽しむ精進料理」は休止しており、4か月ぶりのたからの庭でした。その間に季節は移り替わり、すっかり初夏の風情。ちょうど開催日は入梅でしっとりとした空気のなか、紫陽花や雪の下の小花が可憐に咲いている姿がそれはそれは美しく、しばし見とれておりました。
さて、季節代わりは体がついていけず食欲減退に加え、ステイホームで体力落ちてしまった体に、代謝アップな献立にいたしました。

1.胡椒飯、2.せんべい汁、3.水無月豆腐、4.新牛蒡とアスパラの金平、5.夏野菜のおからパウダー白和え


1.胡椒飯
え、胡椒のご飯?と驚かれる方もいらっしゃると思いますが、これ、江戸料理なのです。印刷技術の発展で江戸時代には大量の料理本が出版されました。「豆腐百珍」などは皆さんもご存じかと思いますが、胡椒飯は「江戸珍味集」という本にでてきます。当時は高価で貴重な胡椒をふんだんに使ったご飯です。薬味や汁で味変できるのも楽しいですよ。
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材料:米3C、粒胡椒7g、水700CC、醤油20CC、塩少々
かけ地:混合出汁3C、塩小1/3~1/2、醤油小1
薬味:大根おろし、山葵、塩昆布など適宜

1)米は洗ってざるに上げて15分はおく。
2)釜に1と水、調味料、刻んだ胡椒を入れて炊き、10分たったら天地返しをしておく。
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3)かけ地を作る。出汁を温め調味する。
4)2)を盛り、汁をかけたり、大根おろし、塩昆布、山葵などの薬味を乗せたりして味変を楽しみつつ食す。
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2.せんべい汁
せんべい汁は八戸の郷土料理。たくさんの野菜や肉を入れて醤油味で調味して、南部せんべいを入れたもの。今では専用の早く柔らかくなるプレーン味のせんべいが売っていますが、今回は普通の胡麻入り南部せんべいを使いました。精進料理なので、もちろんお肉は使いませんが野菜だけでも十分美味しいですよ。徐々にせんべいが汁を吸ってやわやわになっていく過程がまた楽しいのです。
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材料::昆布出汁900CC、酒50CC、人参1/3本(50g)、油揚げ1枚、占地1/2パック、えのき1/4パック、南部せんべい各1/2枚、白滝1/2パック、醤油大2、塩小1/2、三つ葉葉部分適宜
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1)人参、油揚げは短冊に、占地はほぐし、えのきとともに3cmに切っておく。
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2)白滝はざく切りし、さっとゆでておく。
3)昆布出汁に酒と人参と油揚げをいれ、沸騰してきたらアクを引いて火を弱め3分煮てから調味し、ほかの材料も加え、さらに3分煮て椀に盛り、三つ葉を散らす。
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3.水無月豆腐
六月は水無月とも言いますが、無は"の"という意味もあり、水無月は"水の月"を意味します。雨量も多く、田に水を張ることからも水無月と呼ばれるようになったといわれています。
京都では6月30日の「夏越しの祓」という行事があります。半年の無事の感謝と後半半年の無病息災を願い、茅の輪くぐりをいたします。氷に見立てた「水無月」という和菓子もちょうど今頃お菓子屋さんで見かけますね。それを胡麻豆腐で作りました。小豆は邪気を払うといわれています。また三つ葉で茅の輪も作ってみました。

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材料(流し缶(中)用):練り胡麻大3、吉野葛1/2C、昆布出汁500cc、味醂大1、ゆで小豆大2、
軸三つ葉各1本、本わさび適宜
かけ地:味醂大2、醤油大2

1)小豆はゆでておく。
2)葛は昆布出汁につけておく。
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3)三つ葉は軸のみさっとゆでて水にとり、輪を作っておく。
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4)練り胡麻に徐々に2をいれ、鍋へ漉しながら入れる。
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5)下に糊状のものができるまで強火で、そのあと15~20分ほど練って、底から生地がはがれるようになったら最後に味醂を加え、人かき混ぜして火を止め、すぐに水をくぐらせた流し缶にいれて冷やす。
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5)8つに切り、器にもって、前盛に輪にした三つ葉をかざり、かけ地をはる。
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4.新牛蒡とアスパラの金平
やわらかい新牛蒡が出回っています。同じく旬のアスパラと金平にしました。硬さの違う食材はいれる順番を変えること、大事です。
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材料:新牛蒡1本、アスパラ3本、ごま油適宜、酒・昆布出汁・淡口・味醂各大1、七味適宜

1)新牛蒡は洗って4cmの短冊に切り、水に放つ。皮をこそげる必要はありません。
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2)アスパラは下の固いほうだけ皮をむき、縦1/2にしてから4cmに切っておく。
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3)フライパンにごま油を敷き、1を炒めて酒と昆布出汁を加え4、5分煮たらアスパラを加え、2分さらに炒め、調味する。好みで七味を振ってどうぞ。
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5.夏野菜のおからパウダー白和え
白和えは食べたいけれど、豆腐を水切りしたりするのが面倒という方、おからパウダーで代用できます。甘さは白味噌がポイントです。またおからパウダーは日持ちもしますが、独特の豆臭みが出やすいので必ず冷蔵庫で保存してください。冷蔵庫で冷たく冷やして、和えるときに衣と中身はあわせてくださいね。
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材料:プチトマト各3個、黄パプリカ1/2個、胡瓜1/2本
甘酢:酢・砂糖・水各大1、塩少々
衣:おからパウダー50CC,水100C、白味噌大1、練り胡麻小1、ハチミツ(味調整用)

1)トマトはヘタをとり、包丁目を皮に軽く入れて、湯むきして甘酢につけておく。
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2)パプリカは、皮を炙って水につけてむき、1cm角に切って、トマトと一緒に甘酢につけておく。
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3)胡瓜は薄打してたて塩に漬け10分経ったら軽くしぼっておく。
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4)おからパウダーに調味し、衣を作って1~3までを混ぜ合わせる。
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▼空羽~kuu~の6月のお菓子は、ブルーベリー餡の『雨 色』
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次回の予定です。盛夏にさっぱりとした献立を予定しています。
なお、現在、ソーシャルディスタンス遵守のため、新規募集はしばらくありません。
絹ごしごまだれ蕎麦、夏野菜のテリーヌ、蒸しレタスと生木耳の山葵和え、夏野菜の天ぷら(丘鹿尾菜、オクラ、玉蜀黍など)。

レシピ&原稿:温石会 入江亮子
(北鎌倉たからの庭<旬を楽しむ精進料理> 2020年6月の献立より)

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