2017年6月の記事一覧

2017/06/30

「水無月の精進料理」

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6月といえば紫陽花。この紫陽花を愛でにこられる方で、毎年この時期の鎌倉は一年中で一番の人出です。たからの庭は浄智寺さんの谷戸にあるのですが、実は浄智寺さんにも紫陽花がたくさん咲き誇っておりまして、ひそかな地元民の穴場...とここで書いてしまっては穴場ではなくなってしまうかもしれませんが、行列せずともゆくっり紫陽花を楽しめる場所を自分で探してみるのも楽しいかもしれませんね。
雨の時期は紫陽花だけでなく、露にうたれた木々たちが瑞々しくて元気ですが、人間のほうの体調は崩しがちなのではないでしょうか。蒸し蒸しして食欲が落ちた時は、お寿司!ということで、今月は江戸前の握り寿司を中心に、旬のフルーツトマト、じゅんさいを使ったすまし、氷室の節句にちなんで涼しげな寒天に包まれた氷室豆腐、箸が止まらなくなる枝豆の東煮、お弁当の添えなどにもよく、食欲増進になる新生姜の佃煮を作りました。 

1.握り寿司 かくや添え、2.赤茄子椀、3.氷室豆腐、4.枝豆の東煮、5.新生姜の佃煮


1.握り寿司 かくや添え
今までちらしやお稲荷、海苔巻などこの講座でもたくさんのお寿司をやってきましたが、いよいよ握り寿司。最近は野菜のお寿司が「ベジ寿司」と呼ばれて大人気ですね。パプリカなどはまるで鮪の赤身そのものです。ぜひ身近な旬の野菜でいろいろと楽しんでくださいね。
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寿司に添えた"かくや"は古漬けを刻んで混ぜたもので、岩下覚弥という江戸幕府お抱えの料理人が考案したといわれていますが、温かくなるとすぐに酸っぱくなってしまう漬物の再利用にうってつけです。

材料:米3C,昆布出汁690CC,
寿司酢:米酢60CC,砂糖大3,塩小1強
●干し椎茸各1個、煮汁:戻し汁150CC、砂糖大3,醤油・味醂各大1・1/2
●茗荷各1/2本、甘酢1/4C
●パプリカ2個、塩少々
●ズッキーニ1本、オリーブ油大1/2程度、塩少々
●茄子漬け物適宜
かくや:胡瓜1本、いぶりがっこ3cm、生姜小1,煎り胡麻大1、醤油小2

1)寿司酢の材料をよくまぜておきます。1Cの米に対して酢が20cc、砂糖が大1、塩小1/3が基本です。これさえ覚えてしまえば量が増えても対応できますよね。
2)米は洗ってざるに上げて15分はおいてから昆布出汁で浸水し炊いて10分蒸らしてから飯台へあけ、すぐに寿司酢を注いでしゃもじで切るように混ぜ、混ぜ終わってから軽く団扇で扇いで布巾をかぶせておきます。くれぐれも混ぜつつ仰がないでください。粘りがでてしまいます。
3)干し椎茸は前夜から水につけ置き、ふっくら戻したら軸を切って、戻し汁とともに鍋に入れ、戻し汁が温まってきたら砂糖を加え5分煮てから、味醂、醤油といれて、汁気がほぼなくなるまで静かに煮含めます。干し椎茸は5度で5時間と戻し方を覚えておくといいですよ。低温でゆっくり戻すと、椎茸のうまみ成分グアニル酸を引き出せます。
4)茗荷はさっと熱湯でしもふって、甘酢に半日漬けて、握るときに1/2に切ります。甘酢は酢と砂糖を同量で作ってください。茗荷のアントシアニンが酢によって赤く色づきます。
5)パプリカは、直火で焼いて皮をむき、かるく塩で下味をつけておきます。
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6)ズッキーニは薄い輪切りにしてオリーブオイルで焼いて塩・胡椒しておきます。熱いうちにふって、握りやすいようにしっとりさせておいてください。
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7)寿司飯を@20gはかり、軽く握って、具を乗せて盛り付けます。すし飯と具材を握るとき、ラップを使い、包むように握るとうまく握れますよ。ぎゅーっときつくにぎらないよう気をつけてください。
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8)かくやをつくります。胡瓜を千切りし塩をして5分おいたら軽くしぼり、いぶりがっこも千切り、生姜は皮付きのまま荒みじんにして、ボールに胡麻、醤油とともに混ぜ合わせ、寿司の脇に添えます。
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2.赤茄子椀
トマトは赤茄子、蕃茄とも呼ばれ、日本料理でも夏はよく使われます。濃い味わいのフルーツトマトを使って、じゅんさいとともにすまし仕立てにしました。フルーツトマトは味わいが濃いだけでなく身も固く、煮くずれしにくいので、生だけでなくこんな風に加熱するのにも向いていますね。

材料:フルーツトマト各1/2個、じゅんさい2袋、木の芽各1枚、
吸い地:水出汁6C、淡口小1、塩小1・1/3、片栗粉大2(同量の水で溶く)
トマト温め用:水出汁1C、味醂・淡口各大1

1)トマトは湯むきし、横1/2に切っておきます。湯向き前にヘタを取るときは、ペティナイフの刃のほうをもって取ると取りやすいですが怪我に注意して切ってください。お尻に十字に包丁をいれる必要はありません。また、湯むきは沸騰したお湯にほんの数秒でOKです。すぐに冷水にとることで、皮が縮んでむきやすくなるのです。
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2)じゅんさいは、袋から出して熱湯で30秒程度しもふって笊にとってから水に放っておきます。
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3)出汁を温め、調味し、水溶き片栗粉でとろみをつけます。
4)トマトを3に入れて温め、椀にもり、水を切ったじゅんさいを散らし、吸い地を注ぎ、木の芽を吸い口にして召し上がってください。


3.氷室豆腐
冷蔵庫もなかった江戸時代、冬にできた氷を室で囲って、六月朔日に食べて無病息災を祈った「氷室の節句」という歳事がありました。庶民にはそんな氷は手に入らないので、和菓子で氷に見たて邪気を払うといわれる小豆を乗せたのが水無月といわれるお菓子です。寒天地に豆腐を浮かべてそんな悠久の昔に思いをはせました。

材料(流し缶中1個分):絹ごし豆腐1/2丁、昆布出汁500CC、粉寒天4g、塩少々、醤油・辛子適宜

1)豆腐は1CMの厚さの台形に切って、水を切っておきます。
2)鍋に昆布出汁と粉寒天をいれ、よく混ぜてから火にかけ、沸騰後3分は煮て塩少々で調味し、流し缶に1cmほど流し入れます。
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3)2を冷水で冷やして固まってきたら、糸などで豆腐をおく位置を定めてから置き、残りの寒天地をそそぎ、冷やし固める。
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4)四角く切って、出汁醤油と辛子もしくは山葵などで食べます。ところてんのように辛子と醤油にしましたが、黒蜜をかければお菓子になります。
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4.枝豆の東煮
枝豆は塩ゆでだけで食べるのはもったいないです。ぜひご家庭の定番にしていただきたいのがこの東煮。東とは関東、ひいては江戸のこと。濃口醤油を使用した甘辛い煮物を言います。皮にしみこませた煮汁をチューチューいいながら召し上がってください。

材料:枝豆 450g、ごま油大1、砂糖・醤油各大2強、水 80cc、酒 80cc、唐辛子 1本

1)枝豆は大き目のザルに入れて、ザル側面で産毛を取るように撫でつけてからさっと洗います。
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2)フライパンにごま油を入れて、水を切った枝豆を加え、全体に油が回ったら、小口切りした唐辛子、砂糖、醤油を加えひとかき混ぜします。
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3)続いて水と酒を加え、蓋をして5分蒸煮してから、水分がほとんどなくなるまで煎りあげたら出来上がりです。


5.新生姜の佃煮 
新生姜が出回り始めました。皮もやわらかくむく必要がないので、佃煮や酢漬などたくさん作って常備菜にしてくださいね。佃煮の発祥は、東京の佃島。漁師さんが小魚を甘辛く煮たのが始まりです。佃島の住吉神社が造営された日が6月29日で、この日が佃煮の日と制定されています。
材料:新生姜300g、水1C、砂糖大4、醤油70CC
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1)新生姜は洗って皮のついたまま薄切りし、水から煮ていきます。
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2)5分煮たら砂糖、さらに3分後に醤油を加え、汁けなくなるまでゆっくり炊いていきます。
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レシピ&原稿:温石会 入江亮子
(北鎌倉たからの庭<旬を楽しむ精進料理> 6月の献立より)

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