2016年12月の記事一覧

2016/12/28

「2016年12月・2017年1月 星に願いを・・・ 編」

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2016/12/14

「師走の精進料理」

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毎年毎年、どうして師走になると日本人は焦り出すのでしょうか。新年を迎えるということにここまで執着のある国民もなかなかいませんよね。まさに師も走る12月。煤払いからお正月の準備に入りましたが、大掃除とまではいかないまでも部屋を清めて気持ちよく年神様を迎えたいものです。
さて、今月はお茶のお稽古納めでよく出される「うずみ豆腐」や、この時期大活躍の柚子を使った料理などをやりました。柚子というと、吸い口や薬味にちょっと刻んで・・・という使い方が主かもしれませんが、日本料理では特に最盛期を迎えるこの時期、入れ物にして使うことも多いんです。冬至にはゆず湯に浸かって一陽来復を願った方も多いかと思います。たからの庭でも、小さい実ですが、たくさん実ってそれはそれはかわいいことといったらありません。
ほかにもぐっと甘味を増した大根を使っての霙和えや、おせちに欠かせない八幡巻きを鰻代わりに湯葉でなど、即お役に立てる内容です。どうぞお試しください。

1.うずみ豆腐、2.椎茸の鮑もどき、3.胡麻豆腐の柚子釜、4.湯葉と牛房の八幡巻、5.滑子と榎茸の柚子霙和え


1.うずみ豆腐
うずみ豆腐は、豆腐がご飯に埋まっていることから名付けられたものですが、表千家のお稽古納めによく出て参りますね。麹の甘味がきいた白味噌がたっぷりと入ったとろみのあるお味噌汁は、寒い冬にうってつけです。ポイントはひたすらことこととごく弱火で炊くことです。水辛子がまたよいアクセントになりますのでお忘れなく。

材料:米1C、もち米1/2C、水250CC、酒大1、塩ひとつまみ、絹ごし豆腐各1/4個、もみ海苔適宜、水辛子適宜
昆布出汁4C、白味噌200g

1)もち米は洗ってたっぷりの水に一晩漬けておきます。
2)米は洗ってざるにあげておき、白くなるまでそのまま15分程度おいておきます。もち米は十分水を吸っているので、水加減はうるち米の分だけで大丈夫です。
3)炊飯器に1と2を混ぜて調味し、20分は浸水時間をおいてから、沸騰までは強火、そのあと中火で7分、さらに弱火で3分ほど炊き、最後に強火で10秒程度、パチパチという音をきいて火を止め、10分蒸らして天地返ししておきます。
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4)昆布出汁に白味噌を溶き、ことこと最低30分は煮てください。途中アクをとればなおよしです。
5)椀に味噌汁で温めた豆腐を入れ、その上にご飯をおき、汁をはり、水溶き辛子をたらっとかけ、さらにもみ海苔を乗せて召し上がってください。
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2.椎茸の鮑もどき
もどき料理は精進料理の真骨頂。特に中国では発達しており、もどき料理は「仿葷素菜」とカテゴライズされ、非常に種類も多いですね。日本でも湯葉や蒟蒻、椎茸などの弾力ある食感で肉に見立てるのですが、本当に目をつぶって食べるとわからないほどですよ。鮑もどきは大きな厚い干し椎茸を使用することが多いですが、今回は戻す手間もない生椎茸を使って包丁で細工して鮑感を出してみました。

材料:生椎茸各2個、片栗粉適宜、揚げ油適宜
豆腐生地:木綿豆腐1/2丁、椎茸の軸2本分、大和芋大1、浮き粉大1/2,砂糖少々,塩少々
たれ:酒50CC、みりん・醤油各25CC、砂糖・信州味噌各大1/2

1)水を切っておいた豆腐をよくあたり、大和芋と調味料を加えてさらによく混ぜ合わせます。フードプロセッサーが便利です。浮き粉がなければ片栗粉で代用してください。
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2)椎茸は軸を取り除き、傘の裏5mmくらいのところを半周ずつ包丁をいれ、全部切らずにセンターを5mm程度残します。ぜひ肉厚で大きい椎茸を選んでくださいね。
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3)2)の裏に片栗粉をうち、1)を鋳込みます。
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4)170度くらいの温度で揚げます。油は鍋から1cm程度の量で大丈夫です。まず豆腐生地の面をしっかり揚げ色が付くまであげてから、返して1分程度でしっかり油を切って、取り出してください。
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5)たれを作ります。材料を鍋に入れ火にかけ、一煮立ちさせておきましょう。
6)4)に5)をかけて召し上がってください。揚げ色があまりついてない場合は、たれをつけつつ、グリラーで乾かすを3回程度繰り返していただければと思います。
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3.胡麻豆腐の柚子釜
胡麻豆腐は何度となくこの講座でも作っておりますが、冬には少し温めて出してあげるといいですね。今回は旬の柚子をそのまま器にして蒸して、あつあつのところに赤味噌で作った柚子味噌を乗せました。冬にはこんな風に温めて、こくのある味噌と、夏には冷やして出汁醤油と山葵でさっぱりと楽しんでください。

材料:練り胡麻40CC、くず粉50CC、昆布出汁300CC、みりん大1/2,塩少々
柚子味噌:赤味噌50g、砂糖40g、柚皮1/8個分、酒大1

1)胡麻豆腐を作ります。昆布出汁にくず粉を加え、最低1時間は置き、練り胡麻を加え、よくまぜたら1度こしてからへらでかき混ぜつつ強火にかけ、下からのり状の塊が出てきたら中火にして練っていきます。15分は練りますと、鍋からべろっとはがれてきます。それが目安です。最後にみりんと塩少々を加え、ひとかき混ぜして火を止め、すぐに流し缶にいれて冷やします。通常、胡麻豆腐の基本の分量は胡麻1:くず粉1:水7ですが、今回は柚子釜に入れて蒸すので堅めの分量にしてあります。常に鍋を力強くかき混ぜて行きますので、小さい鍋でははねてやけどをしかねないので、大きめの鍋でやりましょう。また練っていて堅すぎたら、水を1/4C程度入れてみてください。追い水と言います。追い水は一度にたくさん入れないのがポイントです。
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2)練り味噌を作ります。鍋に味噌と砂糖、酒を入れてよく混ぜてから火にかけ、砂糖が溶けたら火を止め、刻んだ柚子の皮をいれます。
3)入れ物を作ります。柚子をくりぬいて実をだし、カットした胡麻豆腐をいれて、蒸し器で5分程度むして、上に2の味噌を乗せ、あられに切った柚子の皮を乗せて召し上がってください。
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4.湯葉と牛房の八幡巻
椎茸の鮑もどきと同様、湯葉もよくもどき料理の材料になります。八幡巻きといえば牛房の産地である京都の八幡市の郷土料理が全国に広がったものとされていますが、付近では鰻もよく獲れたことから、この料理が生まれたそうです。今回は生湯葉を使用しましたが、破れやすいので、乾燥湯葉を戻して使っていただいてもいいかと思います。また、中国産の湯葉は丈夫ですので、扱い易いかと思います。

材料:引き上げ湯葉1枚、たこ糸適宜
牛蒡1本、米のとぎ汁適宜、煮汁(昆布出汁1C、みりん・淡口各大1

1)牛蒡は洗って、太い部分は1/4、細い方は1/2の太さにして20~30cmの長さに切り(湯葉の長さに合わせる)、米のとぎ汁で柔らかくなるまでゆで、煮汁で煮ておきます。
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2)湯葉を3cm程度の幅に切って、1を巻いて、たこ糸で3カ所程度縛ります。
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3)牛蒡を煮た汁でゆっくり炊いて、あら熱が取れたら、軽くグリラーなどで焼いてから3cm程度に切って盛り付けます。
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5.滑子と榎茸の柚子霙和え 
柚子釜で使った柚子の果汁を利用して和え物にしました。寒くなって大根も甘くなってきましたね。滑子のとろみが大根おろしとよく絡みます。ちょっとした箸休めにもってこいですよ。こつは材料の下処理にあります。下煮や下味をお忘れなく。

材料:滑子1パック、榎茸1/4パック、大根200g、柚果汁大2,みりん・醤油大1

1)滑子はさっと湯がいて醤油洗いしておきます。醤油洗いとはお醤油を少々まぶしたらすぐに捨ててしまうこと。ほんの少し下味をつけるときによくやる日本料理ならではの技法です。
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2)榎茸は石付きをとって、3等分にし、ほぐしてから出汁と淡口少々で煮ておきます。1/4パック程度でしたら、出汁は50CC程度で十分です。
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3)大根はおろして辛いようなら、ざるに大根おろしをいれ、ボールに水をはってその中ですすいで辛みを調整してください。
4)柚子果汁に調味し、大根おろしに加え、味をみつつ、1と2をあえます。作った柚子とみりん、醤油の調味料は全部使うのではなく、2/3くらい入れて味をみつつ、よい塩梅の味にしてください。
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レシピ&原稿:温石会 入江亮子
(北鎌倉たからの庭<旬を楽しむ精進料理> 12月の献立より)

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