2016年6月の記事一覧

2016/06/17

「水無月の精進料理」

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関東も梅雨入りしまして、いよいよ1年で一番うっとうしい季節となりました。蒸し暑さに体も慣れておらず、湿度が高いので汗が蒸発しないので体温調整もままならずで体調を崩すことも多いですよね。そんなけだるい毎日は、見頃の紫陽花で元気をつけてください。たからの庭ではほかにも、雪の下やどくだみたちが可憐な花をつけていて、木々も緑一色!まさに萌えています。
さて、不調なときは内蔵に負担をかけない精進料理が一番です。旬をいただくということはそれだけ自然なことですし、野菜中心ですから食物繊維もいっぱい取れて、デトックス効果も抜群!今月はご飯はひえ、粟などを入れて炊いた五穀ご飯と、出始めの蓴菜を鼈仕立ての汁に、山形の郷土料理だし、パワフルな食材ゴーヤの揚げ浸し、そしてたくさんでる出汁昆布の再利用で、実山椒と佃煮にいたしました。

1.五穀ご飯  2.鼈(すっぽん)仕立ての蓴菜(じゅんさい)汁  3.厚揚げのだし乗っけ 4.ゴーヤの揚げ浸し 5.昆布の山椒煮

1.五穀ご飯
最近は手軽にひえや粟、押し麦といった雑穀が手に入るようになりました。便利な小分けになっているパックも売っています。白米だけだと足りないビタミンやミネラル、繊維質などぜひこんな五穀ご飯にして補ってください。梅干し1つ入れて炊きますと、腐りにくいですよ。

材料:米3C、ひえ、粟など25g程度、酒大1、水720CC、塩小さじ1/3
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1)米、雑穀は洗ってざるにあげて15分は置きます。
2)水加減をし調味してさらに20分程度置いてから、炊きあげます。沸騰までは強火、7分中火、3分弱火のあと、10秒強火にしてパチパチという音を聞いたら火を止め、10分蒸らして天地返しをしてから盛り付けます。
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2.鼈仕立ての蓴菜汁
鼈(すっぽん)仕立てというのは、丸仕立てともいい、鼈や鰻などくせの強いものを汁にするときに、多量の酒を加えることで、材料のくせをマスキングする調理方法です。今回は先にある程度酒を煮きってから出汁に加えて作りました。あまり精進料理では使いませんが、酒のうま味ものって、滋味あふれる美味しいお椀です。具には蓮芋(はすいも)と取れたての蓴菜(じゅんさい)、湯葉を入れました。

材料:吸い物出汁4C、煮きり酒2C、淡口小2,塩小1/2
蓴菜250g、はす芋10cm、干し湯葉適宜、万能ネギ少々、生姜ひとかけ

1)蓴菜は軽く洗って熱湯でさっとゆで、冷水にとって急冷し、冷めたらざるにあげておきます。劣化してしまうので生ぬるいままにはしておかず、水を一度替えて、早く冷ましてください。
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2)はす芋は、里芋の仲間ですが、根は食べず茎だけ食べます。今が旬です。
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皮を包丁でそぐようにしてむき、酢を入れた熱湯で5分程度ゆがき、冷水にとって、冷めたら食べやすい長さに切って、八方地(出汁50CC、味醂・淡口各小1/2)に浸しておきます。
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3)万能.ネギは小口に切っておきます。
4)生姜はおろしておきます。
5)煮きり酒を造ります。鍋に日本酒を入れて火にかけ、少し斜めにして火をつけます。2分程度でOKです。まだアルコールは少し残っています。
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6)吸い物出汁は、煎り大豆、干し椎茸、昆布を同割りで一晩水につけたものです。目安として、各10gに水1リットルです。
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その出汁に5の煮きり酒を加えて温め、調味し、干し湯葉と1,2を入れ、温まったら生姜の汁を加えて火を止め、椀にもり、ネギを散らします。
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3.厚揚げのだし乗っけ
だしは山形の郷土料理。茄子やオクラといった夏野菜をふんだんに入れて、作ります。各家庭によって醤油だけだったり、塩だけだったり、味醂を加えたり味付けもいろいろです。今回は厚揚げに乗せて食べます。ご飯のおかずにも酒のあてにもなる、毎日食べても飽きない味です。

材料:厚揚げ各1/3枚、茄子2本、オクラ3本、茗荷2本、胡瓜1本、大葉5枚、揚げ油適宜
塩小1/2、塩昆布適宜、醤油大1

1)オクラは色よくゆでて、水にとり、冷めたら縦1/2に切って種をとり、荒みじん切りにしておきます。
2)大葉も粗みじんにして、水に5分程度さらしておきます。
3)茄子、胡瓜も荒みじんに切って、塩をして軽くかき混ぜ5分おくと脱水してきますので、軽く絞り、そこに茗荷の荒みじんと1,2、刻んだ塩昆布を加え醤油で調味します。
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4)厚揚げはあげなおして、6等分に切って、3を乗せて食べます。
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4.ゴーヤの揚げ浸し
ゴーヤは大変栄養価の高い食材で、カルシウムが牛乳の十数倍、ビタミンCはレモンの数倍といわれて、加熱にも強く、最強の食材ともいえますね。炒めて食べることが多いですが、こんな風に揚げ浸しもオツですよ。この浸し地は天ぷらの汁やそうめん汁にも応用できます。

材料:ゴーヤ1.5本、揚げ油適宜、マイクロトマト適宜、おろし生姜少々
漬け地:出汁250CC,醤油・味醂各50CC

1)ゴーヤは縦1/2に切り、綿と種をとってから、食べやすい大きさに切り、170度でからっと揚げ、しっかり油をペーパーでとっておきます。揚げる温度はわりと高めの170度にしてありますが、低い温度だとべたっとしてしまうからです。大きな泡から小さな泡になったあたりが引き上げどきです。焦げないように注意して揚げてくださいね。
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2)漬け地の材料を鍋に入れ沸かし、揚げたゴーヤをつけ込んでできれば冷蔵庫で一晩寝かしてから召し上がってください。
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3)器に盛ったらおろし生姜を天盛りし、マイクロトマトを添えてどうぞ。急ぐときは、漬け地に揚げた材料を入れたら冷水で冷やします。なお、漬け地の比率は出汁5:醤油1:味醂1です。この比率さえ覚えておけば応用が利きますよね。
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5.昆布の山椒煮 
山椒の実が旬を迎えました。たっぷりのお湯に重曹を加え5分程度ゆでて、水にさらし、あとは冷凍すれば半年は楽しめます。出汁を引いた昆布をとっておき、ぜひ実山椒で炊いてください。調味料はあまり濃くしてありませんので、酒のあてにもお弁当のおかずにもいいですよ。

材料:昆布(出汁で使用したもの)200g、水5C、酒90CC、砂糖25g、味醂50CC、実山椒10g、醤油・たまり各25CC

1)昆布は3cm程度の色紙に切って、水と酒を入れて、圧力釜で20分程度加熱します。
2)そこに砂糖と味醂を加え10分程度強火で炊きます。
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3)さらに下処理済みの実山椒と醤油を加え、汁気がなくなるまで炊きます。時間があるときは圧力釜を使わず、最初の沸騰するまでだけ強火にしてアクをだし、あとはコトコト2時間くらい弱火で炊いてあげるのがいいかと思います。
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レシピ&原稿:温石会 入江亮子
(北鎌倉たからの庭<旬を楽しむ精進料理> 6月の献立より)

2016/06/12

「13 アジサイのジレンマ」

紫陽花は、"逆転スイッチ"です。

現代のニッポンで、雨は
龍神さまが知ったら、さぞ悲しむであろうほどの嫌われよう。

「明日は雨に〜」と言う時、気象予報士の眉毛も、
通勤の人たちの眉毛も、旅行者の眉毛も、ハの字に下がり
「残念ながら...」 のトホホ・モードで語られます。

まして梅雨ともなると、連日の雨で洗濯物は乾かないし
薄暗いし、ウツウツと出かけるのも億劫で、お店は客足が減り、
ひたすら忍耐... ニンニン...

そんな現代人の(わがままな)ネガティブ梅雨思考回路を
ガラリと転換してくれる(もしかしたら最大の)スイッチが、アジサイ。

梅雨の訪れを待ってましたとばかりに咲くアジサイは、
まあるく光が灯るように明るくて、かわいくて、
そんなアジサイをニコニコと眺めているうちに、

雨音も悪くないな、、いやむしろ心地よくて、
だって恵みの雨じゃないか、降ってくれないと困るもの!
と発想の駒はヒックリ返り、同じ世界にいるというのに、
何とはなしに心が元気になっていく...


*注*アジサイの葉は、食べないでくださいね。
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そして心が動けば、御菓子が生まれる!

豊島屋茶寮『八十小路(ハトこうじ)』の
上生菓子「あじさい」を見ていると、
きっとアジサイに心動かされたに違いない
作り手の"センス・オブ・ワンダー"が伝わってきます。

淡い色合いの"きんとん"が細やかな上生菓子で、
アジサイの花びら(正確には萼=がく)の微妙な彩りが
表現されています。中心の粒あんが、アクセント。


*注*アジサイの葉は、食べないでくださいね。
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北鎌倉『こまき』の「あじさい」は、
宝石のように透き通った寒天の錦玉羹が、
雨のしずくで花が輝いているよう。

錦玉羹は少し固めでコロコロとほぐれ、
中心のなめらかな白あんと
コントラストが愉しくて

どちらもいただいてしまうのが惜しまれるほど
細やかなつくり。少しずつ、一口ずつ、
眺めつつ味わう大人の御菓子です。

.
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湿度が高く、坂や崖の多い鎌倉の土地に
根を張って地崩れを防いでくれるアジサイは相性がよく
多くのお寺や神社の境内に、家々の庭に、川縁にも
さまざまなアジサイが植えられ育てられてきました。

起伏に富んだ地形のおかげで
上からも下からも、手前から奥の方まで、
さまざまな角度でアジサイを立体的に楽しめます。

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アジサイの語源といわれる「あづさい(集真藍)」=「藍色が集まったもの」
のことば通り、藍の単色のアジサイが連続する景色もあれば、
さまざまな色彩や造形のアジサイに出会える景色もいいのです。

ブルーブルー.jpg

ヨーロッパで品種改良されて輸入されたアジサイも
もとは日本のガクアジサイが原産だとか。
どのアジサイの風景も、日本らしい風景なのです。

東慶寺ガクアジサイ.jpg


アジサイを見つめた目で
もう少し視界を広げていくと

たとえば、アジサイの奥に
花菖蒲があり、

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たとえば、足元には
苔が美しく育っていて、

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たとえば、岩壁には
イワタバコが小さな花を咲かせていて

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たとえば、目を上げると
青々とした楓の葉が揺れていて

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目や耳や、皮フや鼻や、あらゆる感覚を動員して
この世界にあるものを感じとることができたら...
梅雨は、生きものの息吹にあふれた美しい季節です。

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鎌倉のアジサイは、
今年もありがたい悩みのジレンマを抱えています。

あまりに集中する混雑は、
自然にも負荷がかかってしまいます。

大きなお寺や、有名な観光スポット情報に
目や足は向かいがちだけれど、
小さな路地や、名前も知らない坂道で
出会えるアジサイもたくさんあります。

ボンズくん&あじさい.jpg

御菓子の「あじさい」も、さまざまなお店で
それぞれ異なるイメージの作品が作られていて、
自分だけのお気に入りの「アジサイ&あじさい」を
見つけられたら、きっと愉しい。

そして、たくさんの生きものたちの美しい姿に
目を転じていけたら、もっと嬉しい。

そういう元気ポイントの発見をしていく方が
"逆転スイッチ"のアジサイらしい気がします。


鶴岡八幡宮では、放生会が執り行われ、
柳原神池にゲンジボタルが放たれました。(6月12日)
一週間ほど「ほたる祭り」として日没から午後8時半ごろまで
蛍の幻想的な光を見ることができます。

鎌倉は、
今年も美しい季節になりましたよ。

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*アジサイの葉について
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000082116.html
触れても害はないけれど、食べて体内に取り込むと有害であることがわかってきました。まだ研究途上なのでさまざまな説がありますが、食べないでください。ここにもアジサイのジレンマが。。
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豊島屋菓寮 『八十小路』
鎌倉市小町2-9-20
phone 0467-24-0810
11:00-17:00
水曜定休(祝日の場合は営業)
「八十小路」は豊島屋の茶寮で、看板の鳩サブレーにちなんだ
ハトつながり。季節の和菓子は持ち帰りもできます。

『こまき』
鎌倉市山ノ内501
phone 0467-22-3316
10:00-16:30
火曜定休 
*御菓子や営業時間は変わることがあり
 事前に電話確認がおすすめ

扉あじさい3.jpg


.
(写真&文 中尾京子)

2016/06/02

「2016年 6月・7月 カミナリゴロゴロ 編」

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2016/06/01

「2015年 3月・4月 お花畑でかくれんぼ 編」

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