2015年10月の記事一覧

2015/10/29

「神無月の精進料理」

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今月は日本中の神様が出雲に集う月なので、「神の無い月」、「神無月」と覚えておられる方も多いかと思いますが、実は"無"は水無月と同じく、"の"の意味で、各地でこの時期祭りが多いことから「神無月」というのが定説のようです。
それにしてもぐっと朝夕の寒暖の差がでてきて、気持ちよい秋晴れが続いています。先月までの秋の長雨から、今度は紅葉前線が南下してきて、いよいよ秋本番、錦秋ももう少しですね。
今月は旬の松茸を使った炊き込みご飯や柿を丸ごと使った焼き物、もちっとした蓮根のお椀、珍しい栗の白和えなどを作りました。ぜひご家庭でもお役立てください。


1.松茸飯 2.蓮餅椀 3.紅葉麩の信太巻 春菊添え 4.柿釜焼き 5.栗の白和え


1.松茸飯
年に1度は味わいたい松茸ですが、その魅力はなんといってもあの独特な香りにあるのではないでしょうか。その主な香気成分は桂皮酸メチルエステルだそうです。食欲増進、疲労回復、精神安定などにも実際効果があるそうですよ。香りを引き立たせるちょっとした工夫をして、炊き込みました。

材料:米2・1/2C、昆布出汁570CC、松茸2本、酒・醤油各大1、塩小1/3

1)松茸はさっと洗い、石付部分を斜めに鉛筆を削るように切り落とし、2.5cm程度の長さに切って食べやすい大きさに裂き、酒と醤油を小さじ1程度(分量外)ふって、ラップをしておきます。こうするとアルコールの効果で香気成分が上がってきます。
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2)米は洗ってざるにあげて、20分程度そのまま置いておきます。
3)米が白っぽくなったら、分量の昆布出汁と調味料を入れて15分はおき、炊き始めます。最初は強火、沸騰したら中火の弱にして、6~7分、その後弱火にして、ここで酒と醤油で浸しておいた松茸を漬け地ごと加え、3分程度加熱したら、強火に戻して10秒パチパチと音がしたら火を止めます。
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4)10分蒸らして天地返しをし、お茶碗に盛り付けましょう。もし電気釜で炊かれるなら、炊きあがる直前に松茸は入れてください。良い香りが引き立ちますし、シャキシャキした食感も楽しめますよ。


2.蓮餅椀
蓮根に含まれるモチモチした粘り成分"ムチン"を生かした料理です。ムチンは胃腸の粘膜を保護し、ビタミンCも豊富なので、今時分の季節の変わり目などに召し上がっていただくと風邪予防にもなりますね。このお椀は追善の茶事でもよく出されます。レパートリーにいれてくださいね。

材料:蓮根200g、大和芋40g、道明寺粉大2(同量の水)、塩少々、片栗粉小1
銀杏各1個、紅葉人参各1枚、舞茸1パック、柚子、揚げ油
吸い地:昆布出汁5C、塩・淡口各小1

1)道明寺粉は同量の水かぬるま湯につけ、30分おきます。大粒、中粒、小粒と売っていますので、お好みのものをどうぞ。今回はツブツブした食感を出すために大粒を使用しました。
2)銀杏は殻をわり、薄皮の付いたまま、小鍋に入れて熱湯を注ぎ、たま杓子でかき混ぜつつゆでて皮を剥いておきます。
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3)人参は2mmに輪切りし、紅葉に型抜きしてさっとゆでて、水にとっておきます。
4)蓮根は皮をむいておろし、水気が多ければ少しとり除き、おろした大和芋をあわせます。
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5)4に塩と片栗粉をいれて、センターに銀杏をのせて包み込み、クッキングシートで5分蒸します。塩を加えると脱水してくるので、加えたらすぐに蒸します。
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6)5を少し休ませ荒熱をとってから、170度で揚げ色がつくまで揚げます。すでに火は通っているので、揚げた色と香ばしさを着けるために揚げるので、さっとで大丈夫です。
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7)出汁を温めて、塩と淡口で調味をし、小鍋にこの吸い地をおたま1杯分とって、味醂と淡口少々(分量外)を加え、人参と食べやすい大きさに裂いた舞茸を温めます。
8)お椀に蓮餅、温めた人参、舞茸を置き、吸い地をはって、弦月きった柚子をのせて出します。温かいうちにどうぞ。


3.紅葉麩の信太巻 春菊添え
信太巻きの信太とは油揚げのことを言いますが、その由来は信太の森の白狐の伝説からきています。信太に住む雌の白狐が、狩人に追いかけられているところを男に助けられ、人間に化けて、恋仲になり、一緒に暮らすのですが、やがて真相がわかってしまい、また森へ去っていくという悲しいお話です。舞台となる信太と狐の好物が油揚げだということころから、油揚げを用いた料理を「信太(信田)~」というようになりました。

材料:豆腐2/3丁、片栗粉大1、塩少々、油揚1枚、紅葉麩2/3本(出汁1C、味醂・砂糖・淡口各大1で下煮)、片栗粉適宜、春菊1/2把
出汁300cc、砂糖大1、味醂大1/2、淡口大1、醤油大1/2、片栗粉大1/2(同量の水で溶いておく)

1)紅葉麩は油揚げの長さに切って煮汁で煮ておきます。こうして下味をつけておくことはとても重要!
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2)春菊は葉だけをちぎり、さっと茹でて水にとってさましてから、軽く絞って食べやすい大きさに切っておきます。
3)豆腐は水切りし、5~6個に切ってからゆがいて裏ごしをし、茹でた人参をみじん切りと、片栗粉と塩少々を加えてよく混ぜておきます。
4)油揚げは熱湯をかけて油抜きし、箸を転がしてから長い辺1か所を残して3辺をひらきます。
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5)白い方を上にしてまな板に置いて、2の裏ごしした豆腐を広げ均一に伸ばし、その上に紅葉麩を乗せ端からきつめに巻きます。巻き終わりに片栗粉をふって、2、3か所、楊枝で縫うように留めます。
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5)4を鍋に入れ、煮汁で10分、天地を返しをしながら落とし蓋をして煮含めたら、1cmに切って盛付け、春菊を添え、残った煮汁に水溶き片栗粉でとろみをつけ、上からかけます。
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4.柿釜焼き
柿は生で食べることがほとんどですが、焼き柿もとろりとしてなかなかオツです。今回は柿そのものを器にしました。ぐっと季節感が出ますよね。

材料:柿各1個、しめじ1パック(出汁1/2C、酒・淡口・味醂各大1/2)
練り味噌:白味噌100g、砂糖大2、酒大1

1)柿はヘタから2cm位のところを切り落とし、蓋にします。実のほうはペティナイフで皮から5mm内側に一周ぐるっと筋をつけて中身をスプーンなどでくり抜いておきます。
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2)練り味噌を作ります。材料を鍋に入れ、よく混ぜてから火に掛け、しゃもじなどでかき混ぜながら砂糖がとけたら火からおろして荒熱をとっておきます。このとき、あまり練りすぎないのがコツです。
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3)しめじは石付をとって、ばらならにし、さっと茹でて煮汁で軽く煮ておきます。
4)くりぬいた柿の実も食べやすい大きさに切っておきます。
5)1で造った柿の器に3、4をつめ、1分程度レンジで加熱して温めたところに、味噌をかけて上に松の実を乗せ、オーブントースターで数分焼き色が付いたら出来上がりです。
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5.栗の白和え
栗は和え衣の豆腐の水分を吸ってくれるので、置いてもべチャッとなりにくく、ほかの果物との相性もいいので、無花果や梨など食感の違うものをお好きに加えて楽しんでください。なお、栗以外の果物は栗の1/2程度に抑えてくださいね。

材料:栗(小さいもの)各2個、もって菊5輪程度(甘酢)、無花果1個
木綿豆腐1丁、胡麻ペースト小1、砂糖大2、淡口小1/3、塩小1/4、酒小1

1)菊は軸からはずし、酢を加えたお湯でさっと茹でて、冷水にとって色止めし、甘酢(酢・水各大1、砂糖小2)につけておきます。
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2)栗は殻ごと10分程度茹で、半分に切り、スプーンで中身をくりぬいておきます。
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3)無花果は皮をむき、1cm角に切っておきます。
4)豆腐は8等分程度に切り、3分程度ゆがいて水切りし、裏ごしにかけ、調味しておきます。
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5)食べる直前4に菊と栗、無花果を加え、さっと混ぜ合わせ、盛り付けます。
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レシピ&原稿:温石会 入江亮子
(北鎌倉たからの庭<旬を楽しむ精進料理> 10月の献立より)

2015/10/10

「04 秋のお十夜に、薯蕷まんじゅう」

和菓子界のメイン・ストリートを行く「まんじゅう」の中でも、
皮に自然薯芋の入った白い薯蕷(じょうよ)饅頭は
最もまんじゅうらしい まんじゅうと言えるかもしれない。

シンプルに完結した佇まいもそうだが、
薯蕷饅頭は、日本まんじゅう史の原点である。

時は、室町時代初期(1341年〜1349年頃)

中国(元)に留学していた禅僧 竜山徳見が、
林浄因(りんじょういん)を伴って帰国。
林浄因は手製のまんじゅうを光明天皇に献上し、
大変に喜ばれたという。

この時作られたのが、
皮に山芋を使った藷蕷饅頭。

まんじゅうの中身=餡は、日本の禅宗で肉食が禁止されていたので
小豆と、当時の甘味料 甘葛煎(あまずらせん)を代用した。
そしてこれが、日本初のまんじゅうとなった。

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シンプルな藷蕷饅頭は、
お寺や神社の御供物としてもよく作られる。

光明寺『十夜法要*』のために作られる
大くにの「光明寺まんじゅう」は、
お寺の焼印がくっきりと入った、
小ぶりの小判型で、いたってシンプル。

藷蕷饅頭らしいしっとりとした皮と
濃密な こし餡の風味が、
直球の美味しさでまっすぐ届く。

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地元の人は『お十夜』と呼ぶ『十夜法要』の四日間は
昼夜に渡って行事が次々と盛大に開かれる。

とりわけ境内のテンションがあがるのは、13日と14日に
九品寺から光明寺の境内まで、100メートルにも及ぶ
長い行列がつづく練り行列「お練り」である。

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さまざまなお寺から集まった僧侶たちが
身にまとう衣のデザインはいろいろ。
大きな帽子(水冠)をかぶっていたり、
色彩も造形も華やかで、エキゾチック。
その大行列は、壮観である。


境内には、昼間は金魚すくいやヨーヨー釣りなど、
子どもたちが楽しめる定番の出店がいっぱい。
夜には、大人が美味しくいただけるお店がいっぱい。

だから鎌倉では、子どもも大人も
毎年楽しみにしているお十夜なのだ。*


十夜法要の起源は、戦乱が続いていた室町時代中期
地獄のような苦しい生活を送っていた民衆を救うための法要を
時の土御門天皇が、光明寺に許したこと(勅許)がはじまり。

1495年(明応4年)の十月に初めて行われ、
以来五百年以上続けられてきた。


時代は世につれ変わっても、
楽しみに思う人の気持ちはきっと変わらない。

秋のひととき、平和な暮らしに感謝しながら、
光明寺まんじゅうを いただきたい。

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*十夜法要(お十夜)は毎年10月12日〜15日
 光明寺のHP http://komyoji-kamakura.or.jp/

*お十夜の楽しみ(大人の部)はこちらから〜
 http://kamakurabonz.com/pray/post_67.html

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*光明寺まんじゅうは、境内で販売

大くに
鎌倉市大町2-2-10
0467-22-1899  
am 8:00- pm 6:00月休( 祭日の時は火休)
秋は、栗まんじゅうもよい。


photo&文 中尾京子

2015/10/10

「2015年 10月・11月 スポーツの秋 ! ? 編」

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