2015年2月の記事一覧

2015/02/25

「如月の精進料理」

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この間お正月を迎えたと思っていたらもう鶯の初音が聞かれる頃となりました。日も徐々に長くなり、たからの庭を見渡せば、小さな木の芽などが芽吹き始めていて、寒さの中にも春の足音が聞こえてきます。暦でも節分、立春、初午といろいろ春を知らせる行事が続きますね。節分はもともと年に4回(立春、立夏、立秋、立冬)ありましたが、今では厳しい冬から春になる立春の前日の節分だけが残ったようです。
今月は長岡の郷土料理で、現地ではお酒のおつまみとしても食べられている全国でも珍しい醤油味のおこわ、鎌倉といえば・・・な建長汁を味噌仕立てで、甘くやわらかい蕪は吹き寄せ煮に、こちらも甘くやわらかい春キャベツは紫蘇やしょうがでサンドイッチして博多漬に、そして水切りヨーグルトでさわやかな和え物を作りました。じんわりと春を感じていただけましたら幸いです。

1.醤油おこわ 2.建長汁(味噌仕立)柚子味噌風味 3.蕪の吹き寄せ煮 4.キャベツの博多漬 5.アボカドのヨーグルト和え


1.醤油おこわ
現地ではじめて食べた衝撃が忘れられず、記憶を頼りにレシピに起こしました。赤飯といえばささげですが、かつては手に入りにくいものだったそうで、ささげで出す赤い色を醤油で代用したのが始まりとか。金時豆を使うのも特徴的です。そしてご飯として食べるだけでなく、お酒のおつまみとしても食べられています。たからの庭では和蒸篭を使いましたが、おうちでは炊飯器でどうぞ。

材料:もち米3C、大正金時1/4C、醤油大1、淡口小2、味醂大1、酒大2
手水(金時豆の煮汁)1/2C程度

1)金時豆は洗って一晩水につけておき、その水からかためにゆでる。新豆なら20分、古豆なら30分はかかります。
2)もち米も洗って一晩水につけておく。
3)蒸篭にぬらした蒸し布巾を敷き、もち米と金時豆を乗せてすり鉢状に中央をくぼませ、強火で蒸していく。
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4)15分おきに蓋を取り手水(金時豆の煮汁)を全体にふりかけ、天地を箸で返すを2回位繰り返す。つやっとしてきますので、ちょっと食べてみてやわらかさを確認してくださいね。
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5)調味料をボールにいれ混ぜ、そこに蒸しあがったおこわを入れて混ぜる。粘りが出ないように手早く!です。
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6)5をさらに5~10分ほど蒸して、調味料をなじませ、飯台にあけて荒熱をとってからよそりましょう。
冷めて固まってしまい、盛りにくいようなら、また蒸篭で数分蒸すと盛りやすくなります。


2.建長汁(味噌仕立)
鎌倉発祥の建長汁。沢山の具が入り、栄養満点です。いわゆる具汁の走りだなぁと作るたび思います。しっかり炒める具材は、同じサイズに切ることがコツです。豆腐から出る豆の甘味、野菜それぞれの味を満喫できます。味噌汁は煮え花と申します。どうぞ味噌を入れたら煮過ぎませんように。

材料:里芋2~3個、人参60g、蒟蒻1/2枚、牛蒡(細)1本、木綿豆腐1丁、分葱1本、ごま油適宜
出汁4C、味噌大4弱

1)里芋は皮をむき、縦1/2にしてから2~3等分に乱切りする。
2)人参は2mm程度の厚さの銀杏切りにする。
3)蒟蒻は短冊に切ってからゆがいておく。
4)牛蒡は乱切りにして、水に放っておく。
5)豆腐は水切りしておく。
6)分葱は2mm程度の厚さの小口切りにしておく。
7)鍋にごま油を敷き、1~4を炒める。
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8)半分火が通ったところで豆腐も加え崩しつつ軽くいためたら出汁を注ぎ、やわらかくなるまでアクをひきつつ煮て、分葱を入れ、味噌を溶き加える。2015021102b.jpg


3.蕪の吹き寄せ煮
蕪が柔らかくておいしい時期ですね。吹き寄せとはそもそも秋に木の葉が風で吹き寄せられる様を言いますが、それに見立てていろいろな具材が入った料理のこともさします。主に秋の料理に使われますが、カラフルでとってもきれいです。お干菓子でもおなじみですね。
メインに使った蕪はお寺の精進料理ではあまり出てこない六方むきにしました。もちろん厚くむいた皮はもう一品、きんぴらなどにして皆さんでいただきました。

材料:蕪各1個、梅麩各5mm、銀杏各2~3個、キヌサヤ各2本、榎1/4パック、しめじ1/2パック 、ふり柚子適宜
蕪煮汁:出汁3C、淡口・味醂各大3、砂糖大1、片栗粉大1(水大2)

1)蕪は葉もとから根に向かって深く六方にむいて、冷たい出汁に入れ、ゆっくりとことこと煮ていく。
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2)1がやわらかくなったら調味し、1分くらい弱火で煮たらあとは火を止め、ゆっくりと味を含ませる。
3)キヌサヤは筋を取ってから熱湯に塩一つまみでさっとゆで、水にとっておく。
4)銀杏は殻を取って、薄皮は玉じゃくしでゆでながら取って、縦1/2にしておく。
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5)しめじは熱湯でさっとしもふって、淡口醤油を掛けて、すぐに捨てる。これを醤油洗いといいます。
6)梅麩はスライスしておく。
7)蕪の煮汁の味加減を見て、薄いようなら淡口などで味調整をし、生麩を入れ温める。
8)食べやすい長さに切った榎を7に入れて、いったん火を止めてから、玉じゃくしでかき混ぜつつ水溶き片栗粉を入れます。それから火に再びかける。これが、だまにならないとろみのつけかたです。
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9)蕪とともに下ごしらえした材料を器に入れ、餡をかけ、振り柚子をして食べます。
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4.キャベツの博多漬
料理で"博多"とでてきたら、博多帯に見立てたミルフィーユ状の料理のこと。吹き寄せもそうですが、このように見立てた料理が日本料理にはたくさんあります。風流ですよね。
春キャベツはとっても柔らかくて甘くておいしいです。旬は短いですから、どうぞ大急ぎで作ってください。

材料:キャベツ4枚程度、大葉15枚程度、生姜適宜、塩小1/3

1)キャベツは葉を破らないように1枚ずつはがし、熱湯にさっと通して扱いやすくする。
2)しょうがはせん切りにする。
3)バット(今回は12cm×18cm)のサイズに合わせて切ったキャベツを敷き、その上に大葉、千切りの生姜を乗せ、塩を振り、さらにその上にキャベツ・・・と2回程度繰りかえし、一番上にキャベツを乗せたら、同じ大きさのバットを載せて輪ゴムで縛ってしっとりするまで置いておく。できれば1時間以上置いてください。
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5.アボカドのヨーグルト和え
白酢和えは豆腐を裏ごしたり、甘酢を作ったり手間がかかるので、気軽にヨーグルトで似た和え物を考えました。ヨーグルトはなるべくクリーミーな無糖タイプを選び、ざるなどにキッチンぺーパーをしいて下にボールを置き、水切りしてください。ボールに残った水分は乳清で栄養たっぷりですので、もったいないですから飲んでくださいね。

材料:アボカド2個、京人参30g、干し葡萄大1(酒大1)、レモン汁適宜
白酢:水切りヨーグルト大3~4、砂糖小2、塩少々

1)アボカドは縦に包丁を入れ、ひねって1/2にし、種を包丁で取って1.5cm角に切り、レモン汁をまんべんなくかけておく。変色をふせぐためです。
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2)人参は1cmの幅、3cmの長さの短冊に切って、出汁50ccに砂糖・醤油各小1/2でさっと煮ておく。
3)干し葡萄は酒をふって戻しておく。
4)水切りヨーグルトに調味して1~3を混ぜ合わせる。
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レシピ&原稿:温石会 入江亮子
(北鎌倉たからの庭<旬を楽しむ精進料理> 2月の献立より)

2015/02/18

「お寺の中のお稲荷さん〜泉ヶ谷稲荷の縁日へ〜」

今年の『初午の日』(立春以降の最初の午の日)は、2月11日でした。
この日は、お稲荷さんに縁が深く
鎌倉扇ガ谷のお寺「浄光明寺」でも
お稲荷さんの例祭が執り行われました...と...あれ、
...お稲荷さんって神社では?

お寺の門で.jpg

鎌倉時代の建長3年(1251)に建立された泉谷山 浄光明寺の境内奥には、
江戸時代の文化7年(1810)〜当時の近隣住民の発願によって
京都の伏見稲荷から勧請(御霊を分霊してお祀り)したお稲荷さんが
あるのです。その名も『泉ヶ谷稲荷』。

https://m.facebook.com/joukoumyouji

今でこそ、お寺と神社は分けられているけれど
あの鶴岡八幡宮だって、「鶴岡八幡宮寺」という名前で
明治以前は境内に真言宗のお寺があったように、
浄光明寺も、縁の人々にとってさまざまな思いを込めて「祈る場」であり、
地域の一大公共施設だったことをあらためて感じます。

お稲荷さんと.jpg
コンコンコーン

午前11時。階段の下の境内から梵鐘が打ち鳴らされ
それに呼応するように、お稲荷さんの太鼓が打ち返されます。

そして、法螺貝の音が、下の方から聴こえてきます。
法螺貝を吹いているのは浄光明寺のご住職。石段を上ってお稲荷さんへ。

鳥居の前で、
「おんそわか...」真言宗らしい、不思議な音色のお経が始まりました。
中空に文字を描くような所作...お経...鉢と呼ばれるシンバルのような
楽器が鳴らされ、「例祭祭文」(例祭の由来など)が読み上げられます。

鳥居&お坊さま.jpg

「神仏分離の苦海を越え...」
歌うような旋律とともに、肩越しにきれいな散華が数枚投じられ、
運良く近くに舞ってきた参拝者が拾います。(いいなあーと皆内心思う瞬間です♪)

ご住職の透明な声で般若心経がはじまると、参拝者のお詣りです。
鳥居をくぐり、まずお寺式にお焼香、そのまま神社式に二礼二拍手〜
という、神仏の境目を超えた祈りの姿。

一人ずつ参拝を終えて石段を下りくると
豚汁と焼き鳥etc.が振る舞われてまた、カンゲキ♪

豚汁.jpg

さらにこの日は特別に、
御本尊の阿弥陀如来を中心にした阿弥陀三尊像
(左から勢至菩薩・阿弥陀如来・観音菩薩)を拝顔することができました。美しい!

お寺の方の解説によると、
阿弥陀如来さまは檜の寄せ木造りで、鎌倉時代の作。
時代の荒波の中で、浄光明寺も何度も火事に遭ったけれど
そのたび救い出されてきた仏さま。
京都にはない、鎌倉だけの「土紋」という手法で作られ
今では無垢の木の色しかないけれど、元々は金色に花柄の衣をまとった
華やかな御姿だったそうです。(想像してみます〜)
しかも江戸時代になって「宝冠」を乗せられている。
冠をかぶった阿弥陀さまなんて、珍しいですね。

境内は、奥へ進むほど、高く高く登るような設計で、
上からの見晴らし.jpg
さらにどんどん上ると
御堂の屋根の向こうには海が見えてきます。

自然の山肌を削り、穴を開けてつくったやぐらの中には
「700年間座りっぱなし」というお地蔵さまが いらっしゃり、

お地蔵さまのやぐら.jpg

さらに最奥の高台へ上ると、視界が開けてあたり一面が
見張らせます。

この起伏に満ちた境内に、何百年もの間
数えきれない人々の信仰が、織り込まれてきたのかなあと思うと
感慨深い...

明るい光に包まれた境内は、梅の花も咲き始め
早春の訪れをいっぱいに感じさせてくれました。

ご住職とぼく.jpg

大三輪住職、どうもありがとうございました。
またお話を聞かせてくださいね。

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